NTTドコモは、ケーブル(伝送線路)をつまむだけで通信エリアを構築できるアンテナを開発、60GHz帯域での実証に成功した。
NTTドコモは2021年1月、ケーブル(伝送線路)をつまむだけで通信エリアを構築できるアンテナを開発、60GHz帯域での実証に成功したと発表した。5G(第5世代移動通信)やそれ以降の利用シーンを拡大することができる。
高周波数帯では、伝送線路として「誘電体導波路」が注目されている。誘電体導波路は折れ曲がると、その部分から電波の一部が誘電体導波路の外部に漏れるという特性がある。開発したアンテナは、この物理現象を利用した。
開発したアンテナを用い、60GHz帯域での実験を行った。ケーブル上の任意箇所をプラスチックの小片でつまむと、その周辺で通信エリアを構築できた。複数の箇所を同時につまむと、それぞれの箇所で同時に通信エリアが構築されることを確認した。プラスチックの小片を取り外せば電波の放射が止まるため、柔軟かつ効率的に通信エリアを構築することが可能となる。
開発したアンテナを用いると、作業員や機材などによって電波が遮られる可能性がある工場やオフィスでも、安定した通信環境を構築することができるため、5Gの利用シーンを拡大できるとみている。NTTドコモは2021年度上期より、28GHz帯(ミリ波)を利用した5Gサービスで、開発したアンテナを用いて通信エリア構築の検証を始める。なお、開発したアンテナの詳細については、オンライン開催の「docomo Open House 2021」(2021年2月4〜7日)で公開する予定。
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