東芝、保護機能を強化した電子ヒューズを追加:電源ラインの保護と安全性を追求
東芝デバイス&ストレージは、繰り返し使える電子ヒューズ(eFuse IC)の新製品として、保護機能を強化した「TCKE712BNL」を追加し、出荷を始めた。
東芝デバイス&ストレージは2020年2月、繰り返し使える電子ヒューズ(eFuse IC)の新製品として、保護機能を強化した「TCKE712BNL」を追加し、出荷を始めた。
TCKE712BNLの外観
eFuse ICは、電源ラインの回路を保護するためのデバイス。物理的に回路を遮断して回路を保護する従来の物理ヒューズとは異なり、繰り返し使用することができる。特に新製品は、外付け抵抗によりしきい値を変えることが可能で、さまざまな電源ラインに適した過電圧保護の機能を設定することができる。
オフ時の逆流防止機能も内蔵した。このため、新製品を複数個用いて電源ラインの切り替えを行うマルチプレクサーなどの用途にも対応することができる。この他、過電流保護機能や短絡保護機能、過熱保護機能などを搭載した。さらに、FLAG信号出力機能により、過電流など回路に異常が発生した場合、外部に信号を出力することができ、これまでの製品に比べ異常検知が容易になった。
入力電圧範囲は4.4〜13.2V、出力制限電流は2.00A(入力電圧12V時)〜3.65A(同5V時)、オン抵抗は53mΩ、ファストトリップ時間は320ナノ秒(−40〜85℃)。パッケージは外形寸法が3.00×3.00×0.75mmのWSON10で供給する。
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