部門別の売り上げを見ていこう。WDは売り上げを3つの部門に分けて公表している。その3つとは、「データセンター用デバイス・ソリューション(Data Center Devices and Solutions)」部門、「クライアント用デバイス(Client Devices)」部門、「クライアント用ソリューション(Client Solutions)」部門である。
「データセンター用デバイス・ソリューション」部門には、エンタープライズ用HDD、エンタープライズ用SSD、データセンター用ソフトウェア、データセンター用ソリューションなどが含まれる。同部門の売上高は前四半期比(前期比)29%減、前年同期比46%減の8億700万米ドルと大幅に低下した。エンタープライズ需要の低迷は今期が底であり、2021年度第3四半期(2021年1月〜3月期)には回復に向かうと予想する。
「クライアント用デバイス」部門には、ノートPC用HDD、デスクトップPC用HDD、コンシューマーエレクトロニクス用HDD、クライアント用SSD、組み込み用製品などが含まれる。同部門の売上高は前四半期比(前期比)10%増、前年同期比19%増の21億3100万米ドルである。NVMeインタフェースのクライアント用SSDが大手PCベンダー向けに好調で、クライアントSSDの総出荷記憶容量は過去最大を記録した。
「クライアント用ソリューション」部門には、映像業務用HDD、映像業務用SSD、バックアップ用HDD、USBメモリ、SDカードなどが含まれる。同部門の売上高は前四半期比(前期比)19%増、前年同期比6%増の10億500万米ドルである。前期に続いて販売店経由の売り上げが伸びたほか、季節要因が売り上げ増に寄与した。
WDは「フラッシュ応用品(NANDフラッシュメモリの応用製品)」と「HDD製品」の売上高や粗利益率(Non-GAAPベース)などの数値を公表してきた。2021会計年度第2四半期(2020年10月〜12月期)における「フラッシュ応用品」の売上高は前四半期比(前期比)2.1%減、前年同期比10.7%増の20億3400万米ドルである。粗利益率は27.1%で、前四半期に比べ0.7ポイント上昇した。前年同期比では7.6ポイント増とかなりの回復を見せている。
フラッシュ応用品のビット換算の出荷容量は前の四半期と比べて7%増えた。記憶容量当たりの平均販売価格(GB単価)は、全製品(Blended)で前四半期から9%低下し、同一製品(Like-for-like)では前四半期から6%下降した。
HDD製品の売上高は前四半期比(前期比)3.5%増、前年同期比20.3%減の19億900万米ドルである。粗利益率は25.6%で前の四半期と比べて0.6ポイント低下した。前年同期比では5.2ポイントの減少である。
HDD製品の販売台数はクライアントコンピュート(PC)向けが1070万台、ノンコンピュート(リテールおよびコンシューマー)向けが1010万台、データセンター向けが490万台である。前の四半期に比べるとクライアントコンピュート向けが140万台増加し、ノンコンピュート向けが190万台増加した。データセンター向けは60万台減少した。HDD製品全体の販売台数は2570万台である。前の四半期に比べて270万台増加した。
HDD製品の平均販売価格(ASP)は73米ドルである。前の四半期から6米ドル下げた。単価の高いデータセンター向けの台数減少が響いたものとみられる。HDDの総出荷記憶容量は5四半期ぶりに前期比で増加した。2%増となった。
(次回に続く)
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