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ローデ、ソースメジャーユニット市場に参入2象限と4象限の2機種を投入

ローデ・シュワルツは、電流と電圧を供給しながら、同時に高い精度で計測できるソースメジャーユニット(SMU)2機種を発売し、これを機にSMU市場に参入する。

» 2021年03月09日 10時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

無線通信機器用バッテリー試験や半導体テストに対応

 ローデ・シュワルツは2021年3月、電流と電圧を供給しながら、同時に高い精度で計測できるソースメジャーユニット(SMU)2機種を発売し、これを機にSMU市場に参入すると発表した。

 新製品は、2象限モデルの「R&S NGU201」と4象限モデルの「R&S NGU401」である。R&S NGU201は、無線通信機器用のバッテリー試験などに対応しており、任意に設定した正の入力電圧においてソースモードからシンクモードへと自動的に切り替えることができる。R&S NGU401は、LEDなど半導体のテストに特化したモデルで、NGU201の機能に加え、負電圧での切り替えが可能になっている。

R&S NGU401(上)とR&S NGU201(下)の外観

 これらに採用した電流フィードバックのアンプ技術は、高い感度と精度を同時に実現しており、1回の掃引でnA〜Aレベルの広い範囲で電流値を測定することができるという。

 バッテリー駆動の無線通信機器などでは、スリープモードと通信モードを繰り返し動作するため、負荷条件も高速に変化する。これに対し新製品は、制御ループを最適化し30マイクロ秒以下というリカバリー時間を、最小限のオーバーシュートで実現した。また、分解能100pAの10μAレンジから、分解能10μAの10Aレンジまで6つの電流レンジに対応する。最高精度は全ての電流レンジで0.025%を達成した。

 電圧は、20Vレンジで分解能10μV、6Vレンジで分解能1μAによる測定が可能である。特に、新製品は1〜470μF間において段階的に調整できる可変キャパシタンスモードを搭載しており、キャパシタンスの補正が可能である。これにより、被試験デバイスを直接測定しているような電流を表示することが可能。しかも、最大20V/8A/60Wまでのデバイス全てに対応できるという。

 専用のソース計測機能に加え、専用電源に共通する機能も備えている。その1つがFastLog機能である。毎秒500kサンプルのデータ収集速度により、2マイクロ秒ごとに電圧と電流レベルを取得できる。オプションのデジタル電圧計を組み込むと、被試験デバイスにおけるさまざまな場所の電圧を確認することができる。

 この他、R&S NGU401は波形生成器を外付けで接続すると、最大1kHzまでの不安定な電源を、R&S NGU201は実際のバッテリー特性を、それぞれシミュレートすることが可能である。

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