横河計測は、スコープコーダシリーズの最上位モデル「DL950」と、入力モジュール2製品を開発し販売を始めた。電気自動車(EV)開発などに用いると、さまざまな多点の物理量を同時に、長時間記録することが可能となる。【修正あり】
横河計測は2021年2月、スコープコーダシリーズの最上位モデルと位置付ける「DL950」と、高速取り込みや多チャンネル入力に対応するための入力モジュール2製品を開発し、販売を始めると発表した。電気自動車(EV)開発などに用いると、さまざまな多点の物理量を同時に、長時間記録することが可能となる。
スコープコーダシリーズは、オシロスコープの使い勝手と多チャンネルデータレコーダーの機能を統合したデータアクイジションシステムである。DL950は、現行機である「DL850」シリーズの後継機種として開発、基本性能や操作性を高めた。
同時に発売する入力モジュールは、「720212」と「720256」である。720212はオプションの8Gポイントメモリと組み合わせれば、サンプルレート毎秒200Mサンプルで最大20秒間のデータを取り込むことができる。これにより、これまでは捕捉できなかった信号の過渡的な変化やノイズなども記録することが可能となった。
データを長時間収集し記録する用途に対しては、オプションの10Gビットイーサネットと、統合計測ソフトウェアプラットフォーム「IS8000」を組み合わせることで、毎秒最大10Mサンプルで収集したデータをPCに転送し、長時間記録することができる。
また、2021年秋までに発売予定のオプション機能「フラッシュアクイジション」を用いると、DL950に内蔵した不揮発メモリに、毎秒最大20Mサンプルでデータを長時間記録することが可能となる。
720256は4つの入力チャンネルを備えており、毎秒10Mサンプルでデータを取り込むことができる。DL950にはモジュールを装着するスロットが8個用意されている。全てのスロットに720256を装着すれば、各チャンネル10Mサンプル/秒で最大32チャンネル分のデータを同時に収集することが可能となる。制御信号や通信データ、NVH(Noise、Vibration、Harshness)信号などを、同時に長時間測定する必要があるEV開発などに適している。
DL950を光ファイバーケーブルで接続すれば、最大5台まで測定タイミングを同期させることができる。また、精度が高い時刻同期プロトコル「IEEE1588」により、他の測定器との同期計測も可能である。
【修正履歴】同期計測に関する部分で、説明に不十分な箇所があり一部加筆修正を行いました(2021年2月15日午前10時52分/編集部)
この他、操作性も向上した。詳細な波形観測を可能にする大画面ディスプレイや直観的に操作できるタッチパネルの搭載、電力解析やひずみ計測など使用頻度の高いアプリケーションを、ウィザード形式の設定画面で容易に設定できる「アプリケーションメニュー」などを用意している。
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