Lattice Semiconductor(以下、Lattice)は2021年5月17日、FA(ファクトリーオートメーション)向けに、同社の低消費電力FPGAやソフトウェアなどをまとめた「Lattice Automate」を発表した。日本法人であるラティスセミコンダクターは、「予知保全などの新しい技術に対応する産業用システムを迅速かつ容易に開発できるようになる」と説明する。
Lattice Semiconductor(以下、Lattice)は2021年5月17日、FA(ファクトリーオートメーション)向けに、同社の低消費電力FPGAやソフトウェアなどをまとめた「Lattice Automate」を発表した。日本法人であるラティスセミコンダクターは、「予知保全などの新しい技術に対応する産業用システムを迅速かつ容易に開発できるようになる」と説明する。
Lattice Automateは、2種類のハードウェアプラットフォームとIP(Intellectual Property)コア、ソフトウェア/ツール、リファレンスデザイン、カスタム設計サービスで構成される。ハードウェアプラットフォームは、FPGA「Certus-NX」ベースのモーター制御ボードと、FPGA「MachO3D」ベースのハードウェアセキュリティボードを用意した。IPコアは3種類。イーサネットベースのリアルタイムネットワーキングを可能にする「EtherConnect」、エッジで予知保全を行うための「CNNプロセッシング・ユニット」、データを収集するための「データ・コレクタ」である。
リファレンスデザインでは、主な用途として想定している多軸モーター制御、予知保全、リアルタイムインダストリアルネットワーク、ハードウェアセキュリティをそろえた。
多軸モーター制御では、プログラマブルなFPGAを使うことで、ブラシレスDC(BLDC)モーターをはじめさまざまなタイプのモーターをサポートできる。汎用のMCUを使ったモーター制御と比較すると、LatticeのFPGAを使用すると消費電力は約14分の1(同等性能において)に低減でき、2倍の数のモーターを制御することが可能だ。
予知保全では、FPGAが継続的に電流/電圧をモニタリングすることから、モーターの劣化をできるだけ早く検出できるようになる。予知保全向けのリファレンスデザインは、CNNアクセラレーターを搭載し、Latticeとしては初めてオープンソースのディープラーニングフレームワークである「TensorFlow Lite」をサポートする。さらに、データ・コレクタIPも提供する。
リアルタイムインダストリアルネットワーク向けには、イーサネットをベースにしたLattice独自のプロトコルであるEtherConnectを提供する。EtherConnectは、Certus-NXを主要コントローラーとして使用する。多数のデバイスに対し、イーサネットの物理層を介したデイジーチェーン接続による、リアルタイムネットワークを構築する。
重要度が高まっているセキュリティについては、プラットフォームファームウェアレジリエンス(PFR)、システムの起動前/起動中/起動後にファームウェアを保護する機能、全てのファームウェアを暗号的に認証する機能などを提供する。これらの機能は、Latticeのシステム制御向けソリューション・スタック「Lattice Sentry 2.0」の技術を用いたもの。リファレンスデザインでは、ハードウェアRoT(Root of Trust)などを提供する。
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