Maxim Integrated Productsの日本法人マキシム・ジャパンは2020年10月27日、報道関係者向けにオンライン説明会を実施。ソフトウェア設計可能なIO「MAX22000」やIO-Linkトランシーバー「MAX22515」および、これらを用いた新たな産業機器向けIoTプラットフォームに関して説明した。
Maxim Integrated Products(以下、Maxim)の日本法人マキシム・ジャパンは2020年10月27日、報道関係者向けにオンライン説明会を実施。ソフトウェア設計可能なIO「MAX22000」やIO-Linkトランシーバー「MAX22515」および、これらを用いた新たな産業機器向けIoTプラットフォームに関して説明した。
従来と比べ大幅な生産性向上やエネルギーコスト削減が図れるなどとしてファクトリーオートメーション(FA)およびビルディングオートメーション(BA)の導入が加速している。そのFA/BAの進化には機器へのエッジインテリジェンスの組み込みが重要となるが、Maximはその実現に重要な要素として「インテリジェントセンサー」「インテリジェントアクチュエーター」に加え、「ソフトウェア設定が可能なIO」「優れた診断機能」などを挙げる。
具体的には、パラメーターを瞬時に調整できるなどインテリジェント化したセンサーおよび、運用環境に合わせた形で柔軟に設定できるアクチュエータを用い、それを新しい機器の導入および生産ラインの変更、拡張などに合わせソフトウェアで設定を変更可能なIOでつなぐといった形だ。これによって、運用コストの削減および高効率化を実現できるとしている。
Maximはさらに、エッジインテリジェンスを実現するには、産業イーサネットに、センサーやアクチュエータなどをIO-Linkデバイスを接続する「IO-Link Hub」を用いたアプローチが有効であり、上記のようなソフトウェア設計可能なIOを組み合わせることでさらに効果を発揮すると強調。そのための製品として、ソフトウェア設計可能なアナログIO「MAX22000」およびシングルチャンネルIO-Linkトランシーバー「MAX22515」を紹介した。
MAX22000は、市場で最も近い競合製品と比較し、消費電力とサイズを半分以下にすることを実現したソフトウェア設計可能なアナログIO。24ビットADCアナログ入力モードと18ビットDACアナログ出力モードを備え、ソフトウェアで電圧モードと電流モードを設定できる。
MAX22515は、最も近い競合製品に比べて半分の消費電力を、WLPパッケージ(2.5x2.0mm)で実現した「業界最小」のシングルチャンネルIO-Linkトランシーバーだ。±1.2kV/500Ωサージ保護を備えており、保護ダイオード、補助デジタル入力、I2Cまたは端子制御、内部発振器および、3.3Vまたは5Vが選べるLDOを備えており、「ソリューションサイズを最大67%小型化し、小型でスペースに制約のあるIO-Linkセンサーまたはアクチュエータ内に実装可能だ」としている。同社は、この2つの新製品を用いたレファレンスデザイン「MAXREFDES177#」の提供も行う。
Maximは、今回発表した製品を用いた新たな産業機器向けIoTプラットフォーム「Go-IO GenII」も紹介した。
同社の産業機器向けIoTプラットフォームとしては、2014年に第1弾製品となる「Micro PLC」を発表している。これは容積が540cm3と一般的なPLCより小型化した製品だ。その後2016年には、さらなる小型化と低消費電力化を図った第2弾製品「Pocket IO」を発表。そして、2018年、第3弾製品となる「Go-IO」を発表した。Go-IOは、Pocket IOよりもさらに小さく容積は12cm3に、消費電力も50%に抑えていた。
今回紹介したのは、このGo-IOのサイズはそのままに、ソフトウェア設定可能なアナログIO搭載などでより機能向上、拡充したプラットフォームだ。
具体的には、MAX22000などを搭載したFA向けの「MAXREFDES212 Gen II」と、4チャンネルのソフトウェア設定可能なアナログIO「22007」などを搭載したBA向けのデモプラットフォームだ。同社は「これらの技術により、工場でもビルディングでもエッジインテリジェンスの実現が可能となり、工場のダウンタイムや運用コスト、作業コスト削減ができる。また、エネルギー節約や従業員の生産性の向上、維持にもつなげられるだろう」としている。
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