OmniVision Technologies(以下、OmniVision)は2021年5月13日、車載カメラ向けのISP(イメージシグナルプロセッサ)「OAX4000」を発表した。3Mピクセルのカメラを最大4台または8Mピクセルのカメラ1台を、チップ1個で同時に処理できることが最大の特長だ。
OmniVision Technologies(以下、OmniVision)は2021年5月13日、車載カメラ向けのISP(イメージシグナルプロセッサ)「OAX4000」を発表した。3Mピクセルのカメラを最大4台または8Mピクセルのカメラ1台を、チップ1個で同時に処理できることが最大の特長だ。
具体的には、解像度が1920×1536ピクセル/30fps(フレーム/秒)のサラウンドビューシステムなど向けのカメラであれば4台、1920×1080ピクセル/60fpsの電子ミラー向けカメラなら3台、8Mピクセル/30fpsのADAS(先進運転支援システム)向けカメラは1台を、1チップで処理できる。
OmniVisionのオートモーティブ部門でシニアマーケティングマネジャーを務めるKelvin Chang氏は「OAX4000は、周辺カメラや電子ミラー、ADAS(先進運転支援システム)用カメラなど、さまざまな車載カメラシステムに活用できる」と述べる。
Chang氏は、駐車支援システムを例に挙げた。車両に取り付けた4台の周辺カメラの映像を合成してクルマの周囲を見られる駐車支援システムでは、従来、4台のカメラに1つずつISPが必要だった。OAX4000であれば、1個で4台のカメラを全てサポートできるようになる。
同様に、電子ミラーシステムでも複数のミラーをサポートできる。現在、電子ミラーシステムは1つのルームミラーと左右2つのサイドミラーで構成されている。従来であれば3個のISPが必要だが、これらを1個のOAX4000で処理できる。
OAX4000は、1個で複数のカメラ(マルチカメラ)を同時にサポートできるだけでなく、複数の出力(マルチアウトプット)もサポートできる。例えばADAS用とビューイング用のストリームを個別に出力できる。これにより、ADAS用カメラとドライブレコーダーを1台のカメラにまとめるといったことが可能になり、車載カメラのコストやサイズ(容積)の削減につながる。
なお、上記の事例ではOAX4000がECU(電子制御ユニット)側に搭載されているが、カメラ側に搭載することもできる。この場合、デシリアライザーを使うことで2種類のストリームを個別に出力可能だ。
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