ローム、中国の吉利汽車と戦略的協力関係を締結:車載用SiCパワーデバイスを中心に
ロームは、SiCパワーデバイスを中心とした自動車向けの先進的な技術開発で、中国の自動車メーカーである吉利汽車(以下、Geely)と、戦略的パートナーシップを結んだ。
ロームは2021年8月、SiCパワーデバイスを中心に自動車向けの先進的な技術開発で、中国の自動車メーカーである吉利汽車(以下、Geely)と、戦略的パートナーシップを結んだと発表した。
ロームとGeelyは、2018年より技術交流を始め、これまでにさまざまな車載アプリケーションの開発を行ってきた。今回の関係強化は、自動車分野での技術革新をさらに加速していくのが狙い。
具体的にGeelyは、ローム製のSiCパワーデバイスを中心としたパワーソリューションを活用し、高効率のトラクションインバーターや車載充電システムを開発する。これによって、電動車の航続距離を延ばすとともに、バッテリーコストの低減や充電時間の短縮などを可能にしていく。
オンライン調印式の模様。左図の右側は吉利汽車の安?慧董事長、右図の右側はロームの松本功社長 (クリックで拡大) 出典:ローム
さらにGeelyは、パワー半導体以外でもローム製の通信ICや各種ディスクリートなどを活用して、高性能ADAS(先進運転支援システム)やインテリジェントコックピットシステムを開発していく予定である。
Geelyが現在開発中の電気自動車用プラットフォームには、ローム製のSiCパワーデバイスを搭載したトラクションインバーターが採用されるなど、技術交流の成果が活用されているという。
- ローム、SiC SBDを内蔵した耐圧650VのIGBTを開発
ロームは、SiCショットキーバリアダイオード(SBD)を内蔵した耐圧650VのIGBT(Hybrid IGBT)「RGWxx65Cシリーズ」を開発した。車載信頼性規格「AEC-Q101」に準拠しており、xEV(電動化車両)や太陽光発電などの用途に向ける。
- ローム、低オン抵抗のデュアルMOSFETを開発
ロームは2021年7月、24V入力に対応した低オン抵抗のデュアルMOSFET「QH8Mx5/SH8Mx5シリーズ(Nch+Pch)」を発表した。FA機器や基地局装置のファンモーター用途に向ける。
- ローム、面実装のAC-DCコンバーターICを開発
ロームは、耐圧1700VのSiC MOSFETを内蔵したAC-DCコンバーターIC「BM2SC12xFP2-LBZ」を開発し、サンプル出荷を始めた。面実装が可能な小型パッケージ(TO263-7L)で供給する。
- ローム、耐圧最大80V、出力電流5Aの電源ICを開発
ロームは、高耐圧で出力電流が大きい電源ICとして「BD9G500EFJ-LA」と「BD9F500QUZ」を開発、量産を始めた。5G(第5世代移動通信)基地局やPLC、インバーターといったFA機器などの用途に向ける。
- 耐圧600VのIGBT IPM「BM6337xシリーズ」を開発
ロームは、放射ノイズと電力損失を同時に低減した耐圧600VのIGBT IPM「BM6337xシリーズ」8機種を発表した。白物家電や小型産業機器向けインバーターなどの用途に向ける。
- ローム、書き込み速度3.5ミリ秒のEEPROMを開発
ローム、125℃の動作温度環境でも3.5ミリ秒の書き込み速度を可能にしたEEPROM「BR24H-5ACシリーズ」を開発した。車載カメラセンサーの出荷時設定やエアバッグの作動履歴、FA機器のデータログシステムといった用途に向ける。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.