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ローム、面実装のAC-DCコンバーターICを開発耐圧1700VのSiC MOSFETを内蔵

ロームは、耐圧1700VのSiC MOSFETを内蔵したAC-DCコンバーターIC「BM2SC12xFP2-LBZ」を開発し、サンプル出荷を始めた。面実装が可能な小型パッケージ(TO263-7L)で供給する。

» 2021年06月21日 10時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

部品点数を大幅削減、基板への自動実装にも対応

 ロームは2021年6月、耐圧1700VのSiC MOSFETを内蔵したAC-DCコンバーターIC「BM2SC12xFP2-LBZ」を開発し、サンプル出荷を始めた。面実装が可能な小型パッケージ(TO263-7L)で供給する。

BM2SC12xFP2-LBZの外観

 BM2SC12xFP2-LBZは、省電力性能に優れたSiC MOSFETと、産業機器の補機電源(サブ電源回路)向けに最適化された制御回路を1パッケージに集積した。TO263-7Lは外形寸法が10.18×4.43×15.5mmと小型で、大電力用パッケージとして重要となる沿面距離も十分に確保しており、放熱板なしで48W(24V、2Aなど)出力に対応できるという。基板への自動実装も可能である。

 新製品は、部品点数を大幅に削減することができる。交流400Vで48W出力までの補機電源に搭載した場合、これまでは制御ICやMOSFETなど最大12個の部品および、放熱板を必要としていた。これをBM2SC12xFP2-LBZのみで実現できる。また、精度の高い過熱保護や過負荷保護(FB OLP)、電源電圧端子の過電圧保護(VCC OVP)、過電流保護など、さまざまな保護機能を搭載している。

 この他、SiC MOSFETを採用したことで、一般的なSi MOSFETを採用した場合に比べ、電力変換効率を最大5%改善できるという。制御回路には擬似共振方式を採用、産業機器に対するノイズの影響を最小限に抑えた。

 今回発売するBM2SC12xFP2-LBZは、対応するVCC OVPやFB OLPの方式とその組み合わせによって4品種を用意した。いずれも、電源電圧範囲は15.0〜27.5V、動作周波数は最大120kHz、動作温度範囲は−40〜105℃である。

 BM2SC12xFP2-LBZのサンプル価格(税別)は1500円で、2021年10月より量産を始める。BM2SC12xFP2-LBZを搭載した評価ボード「BM2SC123FP2-EVK-001」も用意している。これらは、インターネット販売を行っており、チップワンストップやコアスタッフオンラインのサイトから購入することができる。

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