ロームは、高耐圧で出力電流が大きい電源ICとして「BD9G500EFJ-LA」と「BD9F500QUZ」を開発、量産を始めた。5G(第5世代移動通信)基地局やPLC、インバーターといったFA機器などの用途に向ける。
ロームは2021年5月、高耐圧で出力電流が大きい電源ICとして「BD9G500EFJ-LA」と「BD9F500QUZ」の2製品を開発、量産を始めた。5G(第5世代移動通信)基地局やPLC、インバーターといったFA機器などの用途に向ける。
新製品は、パワー系プロセスの「高耐圧BiCDMOS」を用いて製造する非絶縁型MOSFET内蔵降圧DC-DCコンバーターIC。48V電源系統に向けたBD9G500EFJ-LAと、24V電源系統に向けたBD9F500QUZの2製品を用意した。
BD9G500EFJ-LAは、耐圧が80Vで出力電流は5Aである。出力電流が同等の一般品に比べ、耐圧を約20%高めた。このため、48V電源系統の用途に加え、60V電源系統の電動自転車や電動工具などにも対応できるという。
また、損失が小さいMOSFETを内蔵している。これにより、2Aから5Aの広い出力電流範囲で85%という高い電力変換効率を実現した。パッケージは外形寸法が4.9×6.0×1.0mmのHTSOP-J8で供給する。
BD9F500QUZは、耐圧が39Vで出力電流は5Aとなっている。パッケージは外形寸法が3.0×3.0×0.4mmのVMMP16LZ3030で供給する。このパッケージは同等性能の一般品に比べ、実装面積を約60%も小さくできるという。スイッチング周波数は最大2.2MHzで、1.5μHの小型コイルでも安定動作する。また、電力変換効率は最高90%(出力電流3A時)と高く、発熱が比較的小さいため放熱対策は特に必要がないという。
新製品はそれぞれ、月産10万個体制で量産を始めた。サンプル価格(税別)は500円である。新製品を搭載した評価ボード「BD9G500EFJ-EVK-001」「BD9F500QUZ-EVK-001」も用意した。コアスタッフオンラインなどの通販サイトから購入することができる。
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