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HDD大手Western Digitalの業績、営業利益が前四半期の2倍に急増福田昭のストレージ通信(202)(1/2 ページ)

米Western Digitalの2021年4月〜6月期の業績を紹介する。営業利益が前四半期に比べて2倍と大幅に伸びた。

» 2021年08月16日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

前年同期比の売上高が4四半期ぶりに増加

 ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2021年7月21日、WDが同年8月4日である。そこで前回は、Seagateの四半期業績をご説明した。今回は、WDの四半期業績をご報告する。

 WDの会計期間もSeagateと同様に7月から始まり、6月を決算月とする。2021年8月4日にWDが発表したのは2021年4月〜6月の四半期業績で、会計年度では「2021会計年度第4四半期」となる。

 2021会計年度第4四半期(2021年4月〜6月期)の売上高は前四半期比(前期比)19%増、前年同期比15%増の49億2000万米ドルである。前期比は3四半期連続で増加した。前年同期比は4四半期ぶりに増加に転じた。

 2021会計年度第4四半期(2021年4月〜6月期)の営業利益(Non-GAAPベース)は8億2800万米ドルである。前四半期の2.01倍、前年同期の1.57倍と大幅に伸びた。粗利益率(Non-GAAPベース)は32.9%とかなり高い。前の四半期と比べて5.2ポイント増、前年同期と比べて4.0ポイント増である。売上高営業利益率(Non-GAAPベース)は16.8%と好調である。前四半期の10.0%から6.8ポイント上昇した。

2021会計年度第4四半期(2021年4月〜6月期)の業績概要(Non-GAAPベース)。出典:Western Digital(クリックで拡大)

 2021会計年度第4四半期(2021年4月〜6月期)の概況としては、データセンター向けとエンタープライズ向けのフラッシュメモリ応用製品とHDDの需要が急速に伸びた。クライアント向けではビデオゲーム機器用SSDの需要が引き続き堅調だとする。

Western Digitalの四半期業績推移。同社の公表資料から筆者がまとめたもの。なお営業利益はGAAPベースなので、業績概要のスライド(Non-GAAPベース)とは数値が一致していない(クリックで拡大)

データセンター向けの売り上げが前四半期の4割増に

 部門別の売り上げを見ていこう。WDは売り上げを3つの部門に分けて公表している。その3つとは、「クライアント用デバイス(Client Devices)」部門、「データセンター用デバイス・ソリューション(Data Center Devices and Solutions)」部門、「クライアント用ソリューション(Client Solutions)」部門である。

部門別の四半期売上高の推移((2020会計年度第4四半期〜2021会計年度第4四半期))。出典:Western Digital(クリックで拡大)

 「クライアント用デバイス」部門には、ノートPC用HDD、デスクトップPC用HDD、コンシューマーエレクトロニクス用HDD、クライアント用SSD、組み込み用製品などが含まれる。同部門の売上高は前四半期比(前期比)8%増、前年同期比13%増の21億6600万米ドルである。全ての用途で需要が堅調だった。特にノートPC向けHDDとデスクトップPC向けHDD、フラッシュストレージの需要が当初の予想を超えた。ゲーム用、ビデオ用、自動車用、産業用の需要も堅調だった。

 「データセンター用デバイス・ソリューション」部門には、エンタープライズ用HDD、エンタープライズ用SSD、データセンター用ソフトウェア、データセンター用ソリューションなどが含まれる。同部門の売上高は前四半期比(前期比)44%増、前年同期比6%増の17億7700万米ドルである。データセンター向け大容量HDDの需要が強い。大容量HDD製品の総出荷記憶容量は過去最高の104EB(エクサバイト:1018バイト)に達した。記憶容量が18TBのエネルギーアシスト記録方式大容量HDD製品が出荷容量の拡大をけん引しており、同製品が出荷容量に占める比率は半分に迫る。

 「クライアント用ソリューション」部門には、映像業務用HDD、映像業務用SSD、バックアップ用HDD、USBメモリ、SDカードなどが含まれる。同部門の売上高は前四半期比(前期比)10%増、前年同期比42%増の9億7700万米ドルである。世界経済がCOVID-19流行以前の水準に戻らない中、販売チャンネルを拡大することで売り上げと利益率の増加に結び付けた。

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