Western Digital(以下、WD)はNAND型フラッシュメモリとスピニングディスクを組み合わせたドライブアーキテクチャ「OptiNAND」を発表した。
Western Digital(以下、WD)はNAND型フラッシュメモリとスピニングディスクを組み合わせたドライブアーキテクチャ「OptiNAND」を発表した。ただし、これは、「ハイブリッドドライブ」ではないという。
OptiNANDは、NANDフラッシュを活用した新しいドライブアーキテクチャで、従来のHDDとともに組み込みフラッシュドライブ(EFD)「iNAND」を組み込むことでHDDを強化している。WDのグローバルテクノロジーおよび戦略担当プレジデントを務めるSiva Sivaram氏は、「OptiNANDは、(2011年の)日立グローバルストレージテクノロジーズ(現HGST)買収によって獲得した革新的なHDDアーキテクチャを含む、フラッシュストレージとスピニングディスクに関する当社の専門知識を結集した成果だ」と述べている。
同氏は、「OptiNANDがハイブリッドドライブと異なる点は、フラッシュをユーザーデータの保存に使用しないことだ」と説明している。
同氏は、「フラッシュは、ドライブの機能を拡張すること目的としている。データフロードライブに加えるものではない」と説明。OptiNANDでは、垂直統合したiNANDを、拡張したファームウェアアルゴリズムおよびSoC(System on Chip)のイノベーションと組み合わせることで、HDDの容量と性能、信頼性を向上させているという。WDの新しいOptiNAND対応メモリ階層は、ドライブSoCを使用して、モバイル機器や車載アプリケーションによく使われているUFS(Universal Flash Storage)を使用するiNAND EFDとの通信を制御する。
Sivaram氏は、「これによって、拡張したメタデータ機能を、主要ドライブのハウスキーピング機能に利用することができる」と述べている。フラッシュも管理する必要があるため、組み込みフラッシュは独自のコントローラーと独自のファームウェアを備えている。
OptiNANDアーキテクチャの主な利点は、トリプルステージアクチュエーター(TSA)技術と組み合わせることによって、1インチあたりのトラック数(TPI)を増やすことで面密度を高められることだ。これは、HDDで生成されたギガバイト単位のメタデータのうち、DRAMではコスト的に維持できないものを利用することで実現している。
iNAND EFDは、メタデータのリアルタイムな保存およびアクセスを引き受けることで、回転メディアの領域をユーザーデータ用に解放する。Sivaram氏は、「1インチあたりのトラック数が多いほど、ディスクのストレージ容量が増えるため、ディスクやヘッドを追加しなくても容量を増やすことができる」と説明している。
HDDは通常、トラックレベルで書き込み操作を記録し、トラック全体に対してリフレッシュを行うが、OptiNANDはセクターレベルでiNANDの書き込み操作を記録する。このメタデータは、トラック全体ではなくセクターをリフレッシュするために使用される。Sivaram氏は、「過剰なリフレッシュを避けることで、バックグランドの操作中にドライブのデータフローが中断されないため、性能を損なうことなくトラックを近接して配置できる」と説明している。また、iNAND EFDの存在により、後から機能を開発したり、必要なフックをドライブに設置したりすることも可能になるという。
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