半導体製品ライフサイクルの長さ(期間)について検討しつつ、有効な製造中止(EOL)対策について考察してみたい。
はじめに、半導体製品のライフサイクルについて考えたい。一般的な半導体製品のライフサイクルは、図1のように示せる。
半導体製品に限らず、製品開発という視点で考えると、製品企画に始まり、開発期間を経て、製造をスタートさせる。そうして、量産になった後しばらくは生産を継続し、その後生産を収束させていく。そうして最後には生産を終了する。この一連の流れをライフサイクルと呼ぶ。本稿で検討する点は、このライフサイクルの長さ(期間)についてである。
ここに、ある資料がある。これは、1998年に社団法人・経済団体連合会によって作成された、「産業技術力強化のための実態調査」報告書という資料である。この資料の中で、企業における技術力強化への取り組みとして、事業分野別の開発リードタイムと製品のライフサイクルについて調査した結果が示されている。この資料は20年以上前の資料ではあるが、傾向としては今も変わっていないので、参考としてその時の情報の一部を以下に示す。
この表から、半導体のライフサイクルに比べ、その半導体を使用している製品のライフサイクルの方が長いことが分かる。極端な例になるが、重電機器の場合は製品のライフサイクルはおよそ23年、半導体のライフサイクルが約3年になっているので、およそ10倍のライフサイクルになっている。近年では、半導体製品のライフサイクルは2年といわれている。これに対し、半導体製品を使用した製品のライフサイクルは以前よりも長期化しているともいわれている。
このことから、半導体製品を使用する場合は、この半導体のライフサイクルについての状況を把握し、対策を検討する必要があるといえる。本稿では、この点についての参考資料として活用いただけるような情報を提供したい。
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