村田製作所は2021年11月15日、会社説明会をオンラインで実施し、2022〜2024年度までの中期経営計画および2030年に向けた長期ビジョンについて説明した。同社は2024年度までに売上高2兆円、営業利益率20%以上、ROIC20%以上の達成を目指す。また今回、環境対策への投資や差異化技術の獲得、リスク対策、ITインフラなどへの長期的視点の投資となる「戦略投資」を新設。3年間で計2300億円を投じる予定だ。
村田製作所は2021年11月15日、会社説明会をオンラインで実施し、2022〜2024年度までの中期経営計画および2030年に向けた長期ビジョンについて説明した。同社は2024年度までに売上高2兆円、営業利益率20%以上、ROIC(投下資本利益率、Return on Invested Capital)20%以上の達成を目指す。今回、環境対策への投資や技術獲得、リスク対策、ITインフラなどへの長期的視点の投資になる「戦略投資」を新設。3年間で計2300億円を投じる予定だ。
同社は、エレクトロニクス産業を取り巻く顧客の定義が大きく変化し、ニーズが多様化するといった「エレクトロニクス領域の拡大」や、「持続可能社会への転換」「デジタル化の進展」など、今後2030年まで同社を取り巻く事業環境が大きく変化することを想定。これからこの変化に対応し「事業機会を確実につかみ取り、持続的な成長を実現するために、今まで以上に機会とリスクへの備えが必要だ」と説明した。
今回発表した2030年に向けた長期ビジョン「Vision2030」では、こうした変化に対応し持続的な成長を続けるための成長戦略を2つ挙げている。
1つ目は、「基盤事業の進化とビジネスモデルの進化」だ。同社は、3層構造の新しいポートフォリオを用いた経営を行い、従来の通信、モビリティ(車載から「あらゆる移動手段」に領域を広げた)に、環境、ウェルネスも加えた4領域を重要な事業機会として捉え、事業を拡大していく。
新しいポートフォリオの1層目は、同社を支える基幹事業である積層セラミックコンデンサー(MLCC)やインダクターなど標準品ビジネスだ。村田製作所社長の中島規巨氏は、「これらの事業は技術的にもう限界だと思う所も多いが、その限界を破っていく。カッティングエッジ(最先端)の技術では絶対に他社に負けない」と説明。この技術力と供給体制の強化によって、「トップの位置付けを確実にして行きたい」と語った。
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