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半導体実装関連、2027年に11兆5131億円規模へ富士キメラ総研が世界市場を調査

富士キメラ総研は、半導体実装関連の世界市場を調査し、2027年までの予測を発表した。2021年見込みの8兆9022億円に対し、2027年は11兆5131億円規模に拡大すると予測した。

» 2022年01月31日 13時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

低誘電化や多層化が進むプリント配線板向けの市場が拡大

 富士キメラ総研は2022年1月、半導体実装関連の世界市場を調査し、2027年までの予測を発表した。2021年見込みの8兆9022億円に対し、2027年は11兆5131億円規模に拡大すると予測した。低誘電化や多層化が進むプリント配線板向けの需要が伸びる。

 今回の調査は、プリント配線板7品目、半導体後工程/実装関連材料10品目、実装関連装置5品目、放熱関連材料7品目、アプリケーション機器4品目、半導体パッケージ4品目、基板関連材料13品目を対象とした。調査期間は2021年8〜11月である。

 2021年はテレワークや巣ごもり関連の需要が続いていることもあり、実装関連の世界市場も、半導体封止材やリードフレーム用条材、ボンディングワイヤなどの「半導体後工程/実装関連材料」、多層リジットプリント配線板などの「プリント配線板」が大きく需要を拡大した。

 2022年以降も、低誘電化や多層化が進む「プリント配線板」や、EV/HVのパワー半導体や電池に向けた「放熱関連材料」などの需要拡大に期待する。この結果、2027年には、11兆5131億円の市場規模を見込む。2020年実績に比べて、51.8%の増加となる。

実装関連の世界市場予測 出所:富士キメラ総研

 半導体実装関連市場の中で富士キメラ総研は、「FC-BGA(フリップチップ・ボールグリッドアレイ)基板」や「HTCC(高温同時焼成セラミック)基板」「ガラス基材CCL(銅張積層板)」を注目市場として挙げた。

 FC−BGA基板は、好調なPC向けに加え、車載SoC向け、データセンターや5G通信基地局向けが増加し、2021年見込みは5824億円で2020年比26.5%の増加となる。データセンターや5G通信基地局向け、車載SoC向けなどを中心に今後も市場拡大が見込めることから、2027年には1兆3825億円規模になると予測した。

 HTCC基板は、SAWフィルターや水晶デバイス向けを中心に市場が拡大する。長期的には、自動車用通信機器や3Dセンシングなどの用途で、需要増を見込む。市場規模は2021年見込みの2202億円に対し、2027年は2538億円と予測。

 ガラス基材CCLは、汎用品と低誘電対応品に分類している。2021年は各種民生機器や自動車向けが回復し、サーバや通信機器向けの需要が高まる。特に汎用品は値上げ効果もあり大きく伸びた。合計で1兆4277億円の見込みとなった。2022年以降は、低誘電対応CCLの市場拡大などに期待する。この結果、2027年の市場規模は合計で1兆9433億円になる見通し。

注目市場の予測 出所:富士キメラ総研のデータを基にEE Times Japanで作成

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