分野別の売り上げを見ていこう。WDは売り上げを3つの分野に分けて公表してきた。前期からは、分野の定義を改めている。すなわち、「クラウド(Cloud)」(パブリックあるいはプライベートのクラウド向け)、「クライアント(Client)」(直接販売、あるいは代理店経由の販売によるOEM向け)、「コンシューマー(Consumer)」(リテールその他の販売チャンネルによる一般消費者向け)、の3つである。顧客層の違いを意識した分野になった。
「クラウド」分野の売上高は前四半期比(前期比)14%減、前年同期比89%増の19億2000万米ドルである。全社売り上げの40%を占める。「クライアント」分野の売上高は前四半期比(前期比)で横ばい、前年同期比で1%減の18億5400万米ドルである。クライアントHDDとクライアントSSDの売り上げ減を、5G対応スマートフォン向けフラッシュの売上増が補った。全社売り上げに占める比率は38%である。
「コンシューマー」分野の売上高は前四半期比(前期比)9%増、前年同期比では横ばいの10億5900万米ドルである。クリスマス休暇による需要増が売り上げを押し上げた。ビデオゲーム向けのプレミアムSSD製品が特に好調で、「WD_BLACK」シリーズの販売額は前の四半期と比べて50%増加した。2021年(暦年)通年では同シリーズの販売額は前年の2倍に達する。
次は製品分類別の業績である。WDは「フラッシュ応用品(NANDフラッシュメモリの応用製品)」と「HDD製品」の売上高や粗利益率(Non-GAAPベース)などの数値を公表してきた。
2022会計年度第2四半期(2021年10月〜12月期)における「フラッシュ応用品」の売上高は前四半期比(前期比)5.2%増、前年同期比28.8%増の26億2000万米ドルである。粗利益率は36.1%で、前四半期から0.9ポイント低下した。
フラッシュ応用品のビット換算の出荷容量は前の四半期と比べて13%増えた。記憶容量当たりの平均販売価格(GB単価)は、全製品(Blended)で前四半期から6%低下し、同一製品(Like-for-like)では前四半期から3%低下した。
2022会計年度第2四半期(2021年10月〜12月期)における「HDD製品」の売上高は前四半期比(前期比)13.6%減、前年同期比15.9%増の22億1300万米ドルである。粗利益率は30.6%で、前の四半期と比べて0.3ポイント低下した。
HDD製品の販売台数はクラウド向けが980万台、クライアント向けが670万台、コンシューマー向けが510万台である。前の四半期に比べ、クラウド向けが160万台減少し、クライアント向けが110万台減少し、コンシューマー向けが20万台増加した。HDD製品全体の販売台数は2160万台である。前の四半期に比べて250万台の減少となった。
HDD製品の平均販売価格(ASP)は97米ドルである。前の四半期から5米ドル減と下降した。
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