図3は、2022年2月に発売されたSamsung Electronicsのフラグシップスマートフォン「Galaxy S22 Ultra」の基板およびメインプロセッサの様子である。Galaxy S22 Ultraは2つのバージョンが存在し、グローバル版にはQualcommの「Snapdragon 8 Gen 1」、一部地域向けにはSamsung独自のプロセッサ「Exynos 2200」およびSamsungのチップセット(5G通信用のトランシーバーなど)が採用されている。
図3は、Exynos 2200版の様子である。プロセッサはPackage On Packageという2層パッケージ技術が用いられており、プロセッサの上にDRAMが配置されている。図3の中央はDRAMを取り外した様子とパッケージのMOLDを取り除いた様子である。Exynos 2200のパッケージには、「E9925」というシリコン型名が書き込まれている。この型名が本名で、Exynos 2200は正式にはプラットフォームの通称である。
表2は、2020年から2022年のSamsungおよび、Samsungと共同開発を行ったGoogleのプロセッサ(「Pixel 6」に採用される)「Tensor」の様子である。いずれもSamsungのファブで製造されており、正式なシリコン型名がシリコン上に搭載されている。
シリコン型名の「S5E」は、常時Exynosに用いられるものに対し、「S5P」は、Exynos以外のプロセッサに用いられることが多い。2020年には7nmプロセス、2021年は5nmプロセス、2022年は4nmと、わずか3年の間に大きな進化を遂げている。搭載されるトランジスタ数(すなわち機能)は各段に上がっている。また先のAMDの7nm→6nmでも面積縮小ができているように、4nmを用いることで、単位面積当たりの集積密度は確実に上がっている。2021年の「Exynos 2100」の面積を1とすれば、2022年のExynos 2200は機能アップにもかかわらず、シリコン面積は、0.8程度に小さくなっている(テカナリエレポート594号に詳細を掲載)。
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