表3は、2022年のQualcommのモバイル向けフラグシッププロセッサ「Snapdragon 8 Gen 1」とSamsungのExynos 2200の比較である。さらにMediaTekの「Dimensity 9000」があるが表からは割愛した。いずれも4nmで製造され、ARMv9のCPUを搭載し、GPUや5Gモデム機能を持つ仕様となっている。似通った仕様だが、各社のチップサイズや内部の配置などは依然として大きな差がある。
図4は、2022年4月に発売されたSamsungのミドル向けスマートフォン「Galaxy A53」の様子である。スマートフォン市場に飽和感があるとはいえ、日常の一部となり、また社会インフラともなったスマートフォンはハイエンドとともにミドル(普及版)の強化が必須となっている。
Galaxy A53の内部は、ほぼSamsung製のチップで構成されている。プロセッサはミドル向けの「Exynos 1280」、メモリや通信用のトランシーバー、電源IC、カメラセンサーなどもSamsung製だ。
2022年以降も引き続き、ハイエンドとミドルの強化(充実)が進むことは間違いない。今回は取り上げなかったが中国メーカーは独自のアクセラレータープロセッサを強化し続けている。OPPOの「Mari Silicon X」、vivoの「V1」、UNISOCの「Tiger」シリーズなどいずれも特徴のあるプロセッサとなっている。機会があれば中国の新プロセッサ(RISC-Vも含め)を報告したい。
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