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» 2022年05月17日 13時45分 公開

電機大手8社の21年度決算まとめ ―― 収益の安定したソニー、日立製作所が好決算大山聡の業界スコープ(53)(1/4 ページ)

2022年5月13日、東芝が決算を発表したことで、大手電機メーカー8社の2021年度(2021年4月〜2022年3月期)通期業績が出そろった。各メーカーの計画通り、2021年度は増収増益を達成した企業が多かったが、この中でも伸び悩む企業、収益の柱が育っていない企業など、課題も散見される。取り組みや戦略にそれぞれ特長があった。そこで各社別に状況を確認してみたい。

[大山聡(グロスバーグ),EE Times Japan]
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 2022年5月13日、東芝が決算を発表したことで、大手電機メーカー8社の2021年度(2021年4月〜2022年3月期)通期業績が出そろった。各メーカーの計画通り、2021年度は増収増益を達成した企業が多かったが、この中でも伸び悩む企業、収益の柱が育っていない企業など、課題も散見される。取り組みや戦略にそれぞれ特長があった。そこで各社別に状況を確認してみたい。

過去最高の当期利益を達成した日立製作所

 日立製作所の2021年度売上高は10兆2646億円(前年比17.6%増)、調整後営業利益7382億円(同2431億円増)、当期利益5834億円(同818億円増)であった。売上高が大きく増加しているのは、市況回復に加えてパワーグリッド事業および、GlobalLogic買収、Astemoの統合などが影響している。

日立製作所の部門別営業利益[クリックで拡大] 出所:日立製作所決算資料よりGrossberg作成

 IT部門は、半導体不足の影響やGlobalLogic買収に伴う一時的費用の増加などで、微増収微減益となった。エネルギー部門は、買収効果に加えて、原価低減や固定費圧縮で大幅な増収増益を達成している。インダストリー部門は、産業・流通BU(ビジネスユニット)、水・環境BU、インダストリアルプロダクツ事業のすべてが増収増益になった。モビリティ部門は、中国事業の拡大や為替影響によって増収増益となった。ライフ部門は、画像診断関連事業の売却で減収だったが、収益改善効果で収益は横ばいであった。オートモーティブシステム部門は、日立Astemoの統合で増収増益を達成した。日立建機は、中国を除く市況の回復や為替の影響で増収増益になった。日立金属は、自動車向け需要増加など市況回復および事業構造改革効果で増収増益であった。

 2022年度(2022年4月〜2023年3月期)の見通しとしては、売上高9兆5000億円(同7.4%減)、調整後営業利益7000億円(同382億円減)、当期利益6000億円(同166億円増)を見込んでいる。上場子会社再編の影響で減収減益になるものの、過去最高を記録した当期利益をさらに上回る、という会社計画には極めてポジティブな印象が伴う。

デバイス&ストレージ部門をけん引役にしたい東芝

 東芝の2021年度売上高は3兆3370億円(前年比9.3%増)、営業利益1589億円(同545億円増)、当期利益1947億円(同807億円増)であった。

東芝の部門別営業利益[クリックで拡大] 出所:東芝決算資料よりGrossberg作成

 エネルギーシステムソリューション部門は、発電システムおよび送変電・配電などともに好調で増収増益になった。インフラシステムソリューション部門は、公共インフラが好調だったが、産業システムの減少と素材価格上昇で、売り上げは横ばいながら減益になった。ビルソリューション部門は、昇降機と空調が好調に推移し、増収増益であった。リテール&プリンティングソリューション部門は、リテールもプリンティングも増収増益となった。デバイス&ストレージソリューション部門は、半導体が車載を中心に好調に推移し、HDDもデータセンター向け需要が堅調で増収増益になった。デジタルソリューション部門は、官公庁向けの需要増加で増収増益となった。

 2022年度の見通しとしては、売上高3兆3300億円(同1%減)、営業利益1700億円(同111億円増)、当期利益1750億円(同197億円減)を見込んでいる。収益の柱として期待されるデバイス&ストレージ部門では800億円の営業利益を見込んでおり、中長期的にはパワーデバイス量産のための300mmライン導入も決定している。2023年度以降は減価償却負担の増加が収益を圧迫する可能性があるが、同部門を今後のけん引役にできるかどうかに注目したい。

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