まもなく量産出荷を開始するEVS(イベントベースビジョンセンサー)のデモも行った。EVSは、被写体の変化のみを検出するセンサーだ。各画素の輝度の変化を検出し、変化したデータのみを「xy座標」および「時間の情報」と組み合わせて出力する。これにより、高い時間分解能で情報を取得することができ、高速に動く被写体でもリアルタイムでのモニタリングがしやすくなる。メディア向けのデモは初めて。アプリケーションとしては、産機カメラやロボティクス、セキュリティカメラ、機器や装置の予知保全などを想定している。
デモでは、ミニカーを振動台の上に置いて振動させ、そのデータを表示した。
原理的に「フレームレート」で性能を出すことはできないが、「フレームレート換算で1万〜2万fps(フレーム/秒)ほどの処理性能に相当する」(ソニー)という。さらにEVSは、複数の振動周波数があっても同時に捉えられるというメリットもある。ソニーは「従来の振動計では”点”で見るしかなかった振動情報を、EVSであれば”面”で捉えることができる。これにより、振動データを活用する予知保全などが、より容易になるのではないか」と説明した。
セキュリティカメラに向けた、高感度のCMOSイメージセンサーも紹介した。ソニーは、セキュリティカメラ用のCMOSイメージセンサー向けに、裏面照射型技術「STARVIS」を開発。STARVISを搭載したCMOSイメージセンサーのラインアップを拡充している。裏面照射型のイメージセンサーは、受光部表面までの距離が短く、より多くの光をフォトダイオードに集められることから、高感度を実現できる。
デモでは、2021年6月に発表した「IMX585」を使用。1/1.2型4K解像度のCMOSイメージセンサーだ。0.05ルクス(月明かり程度)と低照度の室内でも、色や文字が判別できるほどクリアに撮影できる様子を示した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.