フラッシュメモリを内蔵する小型のメモリカードとしてはまず、サンディスクが「CompactFlash(コンパクトフラッシュ)」と呼ぶ小型カードを1994年に開発した。サンディスクは1995年に業界団体「CFA(CompactFlash Association)」をヒューレット・パッカードやアップルコンピュータ、NECなどとともに発足させた。CFAはコンパクトフラッシュの共通仕様を策定し、更新し、CFカードの普及を促してきた。
翌1996年には、東芝がNANDフラッシュメモリを内蔵する小型メモリカード「SSFDC(Solid State Floppy Disk Card)」、通称(ブランド名)「スマートメディア(SmartMedia)」を開発する。同社は複数の企業とともに同年4月に業界団体「SSFDCフォーラム」を設立し、共通仕様とその更新および、SSFDCの普及に取り組んだ。SSFDCフォーラムの共同設立会社は、富士写真フイルム、セガ・エンタープライゼス、東芝、オリンパス光学工業、東京エレクトロンの5社である。
CFカード(コンパクトフラッシュカード)とSSFDCの主な違いは大きさとインタフェースにある。外形寸法はCFカードが43mm×36mm×3.3mm、SSFDCが45mm×37mm×0.76mmで、CFカードが厚く、SSFDCが薄い。インタフェースはCFカードがPCMCIA互換(カードがフラッシュメモリのほかにパラレルATAコントローラーを内蔵)であるのに対し、SSFDCはドライブ側がコントローラーを実装する必要があった。またCFカードがNORフラッシュメモリを搭載していたのに対し、SSFDCはNANDフラッシュメモリが前提となっていた。
このほか、フラッシュメモリを記憶媒体として内蔵したPCカード(PCMCIAカード)も商品化された。PCカードは大きさが85.6mm×54.0mm×5mm(あるいは3.3mm)とかなり大きい。一眼レフタイプの業務用デジタルスチルカメラは本体が大きいので、高価でも記憶容量の大きなPCカードを採用することが少なくなかった。CFカードとスマートメディアは、一般用のコンパクトデジタルカメラに採用されることが多かった。
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