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「iPhone 14 Pro」を分解、4nmチップ採用ではAppleが後発にこの10年で起こったこと、次の10年で起こること(66)(1/4 ページ)

2022年9月に発売されたばかりのApple「iPhone 14 Pro」を分解した。一部の解析結果を紹介する。後半はXiaomiの最新フラグシップ機「Xiaomi 12S Ultra」の分解結果を取り上げ、AppleとXiaomiの2層基板の違いを解説する。

» 2022年09月26日 09時45分 公開

最新スマホで進む4nmチップの採用

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 2022年9月16日、Appleから2022年のフラグシップスマートフォン「iPhone 14 Pro」(および「iPhone 14 Pro Max」「iPhone 14」)が発売された。2022年のiPhone 14シリーズでは、Proと14では搭載されるプロセッサが異なる。iPhone 14では2021年の「iPhone13」「iPhone 13 Pro」で採用された「A15 Bionic」が、iPhone 14 Proでは新プロセッサ「A16 Bionic」が採用されている。前者A15 Bionicは、TSMCの5nmプロセスノードで製造されているが、後者A16 Bionicはさらに微細化された4nmが採用されている。

 4nmプロセッサは既に先行する2022年の多くのスマートフォンに採用されている。最初に4nmプロセッサを採用したのは、中国Xiaomiの「Xiaomi 12」である。Qualcommの「Snapdragon 8 Gen 1」だ。その後、Samsung Electronicsのフラグシップスマートフォンである「Galaxy S22」で、Samsungのプロセッサ「Exynos 2200」が採用され、これもSamsungの4nmで製造されている。

 2022年春には、台湾MediaTekのフラグシッププロセッサ「Dimensity 9000」がTSMCの4nmで製造され、中国メーカーのスマートフォンに採用されている。2022年夏には、Snapdragon 8 Gen 1の改良版、TSMC 4nmで製造される「Snapdragon 8+ Gen 1」を搭載したスマートフォンが発売されている。

 2022年に多くのモバイルプロセッサはSamsungの4nm、またはTSMCの4nmで製造され、多くのAndroid系フラグシップ機のプロセッサとして広がっているわけだ。5nmでは真っ先に製品化を進めたAppleだが、4nmでは後発になってしまっている。

メイン基板の様子

 図1は、iPhone 14 Proの分解の様子である。Appleの場合、分解手順は常に一緒だ。筐体下部のネジを取り、ディスプレイを外す。ディスプレイを外すと内部は、L字型の電池、「A16」の文字が記載された放熱用の金属プレート、右上の巨大なカメラ部となっている。A16の文字が記載される金属プレートもネジ留めされている。プレートを外すと、プロセッサや通信チップが乗った基板が見えてくる。カメラ部も金属プレートで覆われているので、同じく金属プレートを取り外し、ネジを外してカメラを取り外す。その後電池、TAPTIC、スピーカーなどを取り外せば分解は終わる。

図1:「iPhone 14 Pro」の分解の様子[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 図2は、基板の分解の様子である。本体から取り外した基板は2層構造になっていて(スペーサーで接続されている)、2枚に重なった基板を分離しないと内部のプロセッサを見ることはできない。

図2:iPhone 14 Proの基板を分解した様子[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 2枚の基板を分離すると、黒い放熱ジェルがべっとりと塗られた部分が中央に存在する。半導体は稼働時に発熱する。発熱すると、速度が落ちる、リーク電力が増えるといったデメリットが大きい。そのため多くの放熱対策が施されている。放熱ジェルもその一つで、塗り込むことで温度上昇を抑えることができる。放熱ジェルは、プロセッサや高速動作を行う5Gモデム上に数ミリメートルの厚さで塗布されている。

 図2の赤矢印部の放熱ジェルの下に、A16 Bionicが設置されている。もう1枚の基板の放熱ジェルの下には、Qualcommの新しい5Gモデムチップが設置されている。大きな処理を行うA16プロセッサと5Gモデムが、放熱ジェルを介して向かい合わせで配置されているわけだ。

 A16 Bionic プロセッサの下には、Appleが開発した、電力制御を行う電源ICが配置されている。プロセッサと電源ICはセット化され、電力の最適化を行う基本中の基本と言えるチップセット(骨格)なので、最短距離で置かれている。

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