日本航空電子工業(JAE)は「CEATEC 2022」(2022年10月18〜21日、幕張メッセ)で、同社が顧客との共創を目指す重点領域での新製品や注目製品などを展示した。本稿では、そのうちの幾つかを紹介する。
日本航空電子工業(JAE)は「CEATEC 2022」(2022年10月18〜21日、幕張メッセ)で、同社が顧客との共創を目指す重点領域での新製品や注目製品などを展示した。本稿では、そのうちの幾つかを紹介する。
コネクターでは、5G(第5世代移動通信)ミリ波用アンテナモジュールの中継に向けた高周波対応、フルシールドタイプの基板対基板(FPC)接続用コネクター「WP16RSシリーズ」などを展示した。JAEはフルシールドタイプのFPC用コネクターを「Wave-stack」というブランドで展開している。WP16RSシリーズは、高周波専用端子によりミリ波帯でも良好な高周波特性を実現するのが特長だ。
JAEの説明担当者は「機器の小型化に伴い、コネクターの小型化の要求も強い。端子間ピッチについても、当社は0.3mmのFPC接続用コネクター『WP56DK』を提供しているが、その0.3mmよりもさらに狭いものを求められるケースもある」と語る。「コネクター分野は中国のメーカーの勢いも強いが、われわれは中国メーカーには作れない製品を開発し、提供することで差異化を図っていく」(同担当者)
Tシャツやタンクトップなどの洋服に取り付けられるスナップボタンタイプのコネクター「RK01シリーズ」も展示した。同コネクターを取り付けることでスマートテキスタイル(生体情報の取得など新しい機能を備えた布地や繊維)製品の小型化、高性能化を実現できる。
ブースでは、ECG(心電図)を測定できるタンクトップを展示した。電極を縫い込んだタンクトップにRK01を取り付けると、測定したECGデータをBluetooth経由でPCやスマートフォンに転送、管理できる。RK01はプラグとソケットで構成されていて、このソケット部分にトランスミッターが搭載されている。
展示したRK01の極数は、縫い込んだ電極の数に合わせて4つだったが、用途に合わせて最大20極まで増やすことができる。独自の構造により、複数の極数があってもソケットとプラグの着脱が簡単に行える。筆者も実際に着脱してみたが、簡単に取り外すことができた。JAEの説明担当者によると、「50回洗濯しても耐久性を維持できる」という。「嵌合部の設計も工夫しており、位置ずれを気にすることなく一発で嵌合できるようになっている」(同担当者)
説明担当者は、「現在はスポーツやフィットネス分野のバイタル計測目的で活用されているが、今後は高齢者の見守りや医療分野への拡大を目指し、対応可能な服飾製品を広げるなど改良を重ね、ユーザー増加を目指している」と続けた。
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