ドイツcongatecの日本法人であるコンガテックジャパンは2022年11月16日〜18日、組み込み技術に関する展示会「EdgeTech+ 2022」(パシフィコ横浜)で、同社が手掛ける組み込み向けCOM(コンピュータ・オン・モジュール)やシングルボードコンピュータを展示した。
ドイツcongatecの日本法人であるコンガテックジャパンは組み込み技術に関する展示会「EdgeTech+ 2022」(2022年11月16日〜18日、パシフィコ横浜)で、同社が手掛ける組み込み向けCOM(コンピュータ・オン・モジュール)やシングルボードコンピュータを展示した。
最新の規格である「COM-HPC」対応製品では、産業向けにメモリやCPU性能を重視した「COM-HPC Server」と、オーディオやグラフィックス性能を重視した「COM-HPC Client」のラインアップを展示した。幾つかの標準品を用意した上で、顧客各社の要望に合わせたカスタマイズも可能だ。
コンガテックは、冷却ソリューションにも強みを持つ。同社でカントリーマネージャーを務める奥村康弘氏は、「冷却ファンの劣化による交換作業の手間を減らすべく、冷却ファンをできるだけ使いたくない顧客も多い。そのため当社は、ヒートパイプやヒートシンクなどの冷却ソリューションを取り入れている。こうした冷却ソリューションはノウハウが必要なところだ」と語る。
コンガテックは、リファレンスデザインを元に顧客が設計したキャリアボードを、有償または無償でレビューするなどの技術サポートも提供している。
「COM Express」のフォームファクターに対応する製品は、FA(ファクトリーオートメーション)やロボットアームなどリアルタイム性が求められる用途に向ける。インテルの「第12世代Core」プロセッサ(Alder Lake)を搭載した「conga-TC670」(COM Express Compact)や、「第11世代Core」プロセッサ(Tiger Lake)を搭載した「conga-TS570」(COM Express Basic Type 6)などの高性能ボードも紹介した。conga-TC670、conga-TS570ともに2022年に発表した新製品である。
Intelのプロセッサでハイパーバイザーを実現する「Real-Time Systems(RTS) Hypervisor」において、機能安全(FuSa)の設計を簡素化するソリューションも提案した。これは、ハイパーバイザー部分のみFuSaの認証を取得しているもので、それにより、機器メーカーがFuSa認証取得にかかる時間を短縮できるとする。同ソリューションは、2023年前半にリリースする予定だ。
奥村氏は、「COMやシングルボードコンピュータは中国や台湾のメーカーも手掛けている。これらのメーカーは価格競争力はあるが、当社は設計品質に強みを持っている。EMS(電子機器製造受託サービス)も複数で展開しており、柔軟かつ迅速な供給体制を構築していることも強みだ」と述べた。
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