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AMDが開発した第4世代のZenコア「Zen4」の概要福田昭のデバイス通信(373)(1/2 ページ)

今回は、Zenアーキテクチャのx86互換64ビットCPUコアで第4世代となる「Zen4」の概要をご紹介する。

» 2022年11月25日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

Zenアーキテクチャのx86互換64ビットCPUコアをさらに改良

 AMDは2022年11月10日(米国時間)に米国カリフォルニア州サンフランシスコでサーバ向けプロセッサ「EPYC(エピック)」の新製品発表会「together we advance_data centers」を開催した。新しい「EPYC」は、x86互換のCPUコア「Zen(ゼン)」シリーズの第4世代となる最新のCPUコア「Zen4」を搭載する。名称は「第4世代(4th Gen)EPYC」である。

 本コラムの前々回は「第4世代EPYC」シリーズの第1弾である「EPYC 9004シリーズ」の製品情報を、前回は「第4世代EPYC」の開発ロードマップと「EPYC 9004シリーズ」の技術仕様をご報告した。今回は、Zenアーキテクチャのx86互換64ビットCPUコアで第4世代となる「Zen4」の概要をご紹介する。

 なお「Zen4」コアはサーバ専用のCPUコアではない。AMDはZenシリーズをモバイル、デスクトップ、サーバのプロセッサに共通のCPUコアと位置付ける。用途に応じてCPUコア数やキャッシュ容量とメモリコントローラー回路、入出力回路などを変更し、プロセッサ製品に仕上げている。

 「Zen4」コアの開発目標は、前世代コア「Zen3」に比べて性能を高めるとともにレイテンシ(遅延時間)を短縮し、スループットを向上させることにある。具体的には、クロック数当たりの命令処理数(IPC)と動作周波数を比率にして10%以上高める、2次キャッシュを拡大するとともに平均的なレイテンシを短縮してキャッシュの効率を上げる、動作時消費電力を削減してコア数を効率的に増やす、といった項目が掲げられた。

「Zen4」の開発目標。性能、レイテンシ、スループットの3つに分かれる[クリックで拡大]出所:AMD

 開発作業の結果、Zen4のIPCはZen3に比べて14%向上した。フロントエンド、ロード/ストア、分岐予測、実行エンジン、2次キャッシュの改良がIPCの増加に寄与した。

「Zen3」と「Zen4」のIPC(相対値)。Zen4ではIPCが14%向上した[クリックで拡大]出所:AMD
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