ガートナーはDXの進化を加速する3つの技術として「インダストリ・クラウド・プラットフォーム」「プラットフォーム・エンジニアリング」「ワイヤレスの高付加価値化」を取り上げた。
インダストリ・クラウド・プラットフォームとは、特定の業種に特化したクラウドやプラットフォームのサービスだ。利用者は業界に合わせた作りこみをする必要がなく実運用までの期間を短縮できる。ガートナーは「2027年までには企業の50%はインダストリ・クラウド・プラットフォームを使用する」と予測している。
プラットフォーム・エンジニアリングとは、ソフトウェアのデリバリーとライフサイクル管理を目的としたセルフサービス型の企業内開発者プラットフォームの構築と運用に関する専門分野だ。ガートナーは「2026年までにソフトウェアエンジニアリング組織の80%がプラットフォーム・エンジニアリングのチームを作り、うち75%がセルフサービス開発者のポータルを取り入れる」と予測している。
ガートナーは「ワイヤレス技術は純粋にネットワークの接続を提供するだけでなく、組み込まれた分析機能を使って知見を提供し、場合によってはネットワークから直接エネルギーを取得するようになる」とし、「2025年までに企業の60%は5つ以上のワイヤレス技術を同時に使用するようになる」と予測している。
ガートナーは、DXの変革を実現する3つの技術として「スーパーアプリ」「アダプティブAI」「メタバース」を取り上げた。
スーパーアプリは、1つのアプリケーション内でアプリ、プラットフォーム、エコシステムの機能を組み合わせたものだ。ガートナーは「2027年までに世界人口の50%以上は日常的にスーパーアプリを使用するようになる」と予測している。
アダプティブAIとは、AIの開発/提供後もAIモデルの学習を継続することで、開発当初には予想できなかった実世界の変化に迅速に対応できるように備えるという手法だ。外部環境の急激な変化や企業目標の変化に最適化された対応が要求される運用に適している。
メタバースとは、仮想的に拡張された物理的現実とデジタル化された現実の融合によって創り出される集合的な仮想共有空間だ。ガートナーは「2027年までに世界の大企業の約40%以上が売り上げの拡大を目的としてメタバースを軸とした事業を展開する」と予測している。
ガートナーは2023年の戦略的技術トレンドのトップ10の最後として「持続可能性」を取り上げた。同社が2022年5月に世界のCEOや経営幹部に行った調査では「投資家の優先課題のトップ3は『利益』『売り上げ』に次いで『環境と社会の変化』が第3位」だったとし、「持続可能性は2023年の戦略的技術トレンド全体に関連する。経営幹部は持続可能性の目標を達成するためにESG要求に対応する技術に投資を拡大する必要がある」と続けた。
池田氏は「『テクノロジー・トレンドの全てをすぐに導入しなければいけない』とプレッシャーを感じる必要はないが、何一つ挑戦しなければ時代に取り残されることになる。CIO(Chief Information Officer)はトレンドに優先順位を付けて戦略を提示することが求められる」と述べた。
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