今回は米Western Digital(WD)の2023会計年度第2四半期の業績を報告する。
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2023年1月25日、WDが同年1月31日である。そこで前回と今回は、Seagate(前回)とWD(今回)の四半期業績を続けてご報告している。繰り返しになるが、前回はSeagateの四半期業績をご説明した。今回はWDの四半期業績をご報告する。
WDの会計期間もSeagateと同様に7月から始まり、6月を決算月とする。1月31日にWDが発表したのは2022年10月〜12月の四半期業績で、会計年度では「2023会計年度第2四半期(Q2F23)」となる。
WDはHDDの大手ベンダーであるとともに、フラッシュメモリ応用品の大手ベンダーでもある。HDD事業とフラッシュメモリ事業の売り上げ比率は若干の変動はあるものの、おおむね半分ずつを占める。本稿では両方の事業について四半期業績の発表資料から説明する。
2023会計年度第2四半期(2022年10月〜12月期)の売上高は前四半期比(前期比)16.8%減、前年同期比35.7%減の31億700万米ドルである。HDD事業の売り上げが前期に比べて28%減と大きく低下したことが響いた。フラッシュメモリ事業の売り上げは前期比3.8%減とわずかな縮小にとどまった。ただしフラッシュメモリ事業は前四半期(2022年7月〜9月期)に前期比28%減と大きく減少したので、HDD事業が遅れて景気後退の影響を被ったとも言える。
2023会計年度第2四半期(2022年10月〜12月期)の営業損益はNon-GAAPベースとGAAPベースともに赤字だった。GAAPベースで赤字になるのは2020会計年度第1四半期(2019年7〜9月期)以来のことだ。なおNon-GAAPベースで過去に営業赤字になった時期は筆者の調べでは分からなかった。営業損失の金額はNon-GAAPベースが1億1900万米ドル、GAAPベースが3億2100万米ドルである。
粗利益率(Non-GAAPベース)は17.4%である。前四半期比(前期比)で9.3ポイント減、前年同期比では16.2ポイント減となった。
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