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ADASの機能をFPGAレベルで瞬時に切り替え、AMDがデモECUの数を減らせる

AMDザイリンクスは「第15回 オートモーティブワールド」で、周辺監視とDMS(ドライバーモニタリングシステム)の2つの機能を、FPGAレベルで瞬時に切り替えるデモを披露した。

» 2023年02月17日 13時00分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

 AMDザイリンクスは「第15回 オートモーティブワールド」(2023年1月25〜27日、東京ビッグサイト)で、FPGA/SoC(System on Chip)の機能を動的に切り替える「DFX(Dynamic Function eXchange)」を用いたデモなどを展示した。

 DFXは、用途に応じて、内部アーキテクチャと機能を、FPGA/SoCを起動したまま瞬時に再構成できる技術だ。ブースではパートナー企業であるXylonと、DFXを使用して、サラウンドビューとDMS(ドライバーモニタリングシステム)を切り替えるデモを披露した。

Xylonとともに展示した「DFX」のデモ FPGA設計サービスとIP(Intellectual Property)コアを手掛けるXylonとともに展示した「DFX」のデモ。4個のカメラを搭載している[クリックで拡大]
搭載した4つのカメラの映像を合成し、サラウンドビューの映像を生成しているDFXによって機能が切り替わり、瞬時にDMSの映像に切り替わる様子 左=搭載した4つのカメラの映像を合成し、サラウンドビューの映像を生成している/右=デモでは、別に用意してあったタブレットのボタンをクリックすると、DFXによって機能が切り替わり、瞬時にDMSの映像に切り替わる様子を示した[クリックで拡大]

 AMDザイリンクスの説明担当者は「一般的に、サラウンドビューとDMSの機能を実現するには2個のECU(電子制御ユニット)が必要になる。DFXを用いれば、ADAS(先進運転支援システム)の機能をFPGAレベルで切り替えられるので、使用するECUの数を削減できるようになると提案している」と話す。「AI(人工知能)技術は、ディープラーニングのアルゴリズムも含めて日進月歩の世界である。ハードウェアを容易に再構成できるFPGAとともに、DFXの機能も自動車業界に向けてアピールしていきたい」(同担当者)

 アクセラレーターカード「Alveo V70」を用いたマルチストリームAI技術も披露した。Alveo V70は「Versal AIコアシリーズ」と機械学習用AIエンジン「AIE-ML」タイルを搭載した製品。デモでは、16個のHDビデオに自動車が走る映像を映し出し、各ストリームで自動車を分類する様子を示した。

デモで使用した、「Alveo V70」を搭載したマシン16の映像の画像認識をリアルタイムで行うデモを披露した 左=デモで使用した、「Alveo V70」を搭載したマシン/右=16の映像の画像認識をリアルタイムで行うデモを披露した。各フレームで平均10個の深層学習モデルを処理しているという[クリックで拡大]

 また、画像認識やAIのアルゴリズム開発を手掛けるサイバーコアの車載向けビジョンAI技術を用いたデモも展示した。具体的には、撮影された映像を鮮明化するAIソリューション「LuxEye」と、ネットワークを軽量化する独自のアルゴリズム「NeuroEye」を用いたもの。NueroEyeを活用して、AMDザイリンクスのSOM(システムオンモジュール)「Kria K26」にLuxEyeを実装した。これにより、エッジで車載向けビジョンAIを実現できることを示した。

サイバーコアの技術とAMDザイリンクスのSOMを使ったデモ。暗い画像(ディスプレイ画面の左半分)でもかなり鮮明化されていることが分かる[クリックで拡大]

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