金子氏は今回の発表会見で、Dynamic AGE-ingの概要について説明した。
一般的に、SiCウエハー基板の加工は、その表面を機械研磨とCMP(化学機械研磨)で平たん化した後、エピタキシャル層を成長させる。しかし、前述の通り、こうした方法では、結晶欠陥や残留加工ひずみなどの技術的課題が残っていた。
これに対しDynamic AGE-ingは、1600℃から2100℃という超高温下で、温度を変化させるなどして、非接触でウエハー表面の原子の配列を自律的に制御し、ウエハー表面に欠陥のない高品質なSiC結晶の層を作るというもの。具体的なプロセスは、アニーリング、エッチング、結晶成長の3つで、実際に残留加工ひずみの完全除去、BPDフリーを実現しているという。
QureDA Researchは、このDynamic AGE-ingを用いたSiCウエハー製造戦略として、バルク成長とエピ成長の間の“加工”という中間工程において、既存の加工技術との擦り合わせにより、前後工程のコスト課題や品質課題を解決。SiCウエハー製造全体のフローの再構築(最適化)を促すプロセスを目指すとしていた。
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