東京工業大学学術国際情報センター(以下、GSIC)は、2024年春の稼働に向けて次世代スーパーコンピュータ「TSUBAME4.0」の構築を始める。国内のスパコンとしては「富岳」に次ぐ性能だという。
東京工業大学学術国際情報センター(以下、GSIC)は2023年5月、2024年春の稼働に向けて次世代スーパーコンピュータ「TSUBAME4.0」の構築を始めると発表した。現行システムの性能に比べ64ビット倍精度理論演算は約5.5倍、AI向けの16ビット半精度では約20倍となり、国内のスパコンとしては「富岳」に次ぐ性能だという。
東工大では、2006年4月に「TSUBAME1.0」が稼働。それ以来、「みんなのスパコン」として親しまれ、国内外の産学官が取り組む研究開発に活用されてきた。NVIDIA製GPUをいち早く採用したスパコンとして当時から注目され、現在は「TSUBAME3.0」が稼働中である。
TSUBAME4.0の導入に向けて、既に東工大すずかけ台キャンパスに新たなスパコン用の建屋を整備した。また、TSUBAME4.0の開発に当たっては、政府調達「TSUBAME4.0スーパーコンピュータ」を実施した。東工大では、落札した日本ヒューレット・パッカード(HPE)のほか、NVIDIAなどと協力しシステムを構築していく。
TSUBAME4.0には、最新世代のNVIDIA Hopperアーキテクチャに基づく「NVIDIA H100 TensorコアGPU」を、TSUBAME4.0向けに最適化して搭載する。これによって、従来システムとの高い互換性を確保する。TSUBAME4.0に搭載するGPU数は960個で、現行のTSUBAME3.0(搭載GPU数は2160個)に比べると少ないが、性能やユーザビリティは上回るという。具体的に、倍精度理論演算性能はTSUBAME3.0の約5.5倍となる66.8ペタFLOPS、AI向け性能は約20倍の952ペタFLOPSである。
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