ラティスセミコンダクターは、FPGA「Nexus」や「Avant」を用いた車載システムの開発を支援する「Lattice Driveソリューションスタック」を発表した。その第1弾は「インフォテインメントディスプレイのブリッジングと処理」に向けたソリューションとなる。
ラティスセミコンダクター(以下、ラティス)は2023年7月20日、FPGA「Nexus」や「Avant」を用いた車載システムの開発を支援する「Lattice Driveソリューションスタック」を発表した。その第1弾は「インフォテインメントディスプレイのブリッジングと処理」に向けたソリューションとなる。
ラティスは、小型FPGAからエッジ端末でのAI(人工知能)処理にも対応可能な中規模FPGAまで、低消費電力技術を強みにFPGA事業を展開する。特に、自動車向けは同社の中で急速に事業規模を拡大しているセグメントの一つだという。
同社は、ハードウェアデバイスとしてのFPGAに加え、IPコアやソフトウェア・ツール、レファレンスデザイン、カスタム設計サービスなどを用途別にまとめた「ソフトウェアソリューション」を提供している。既に、エッジAIに向けた「sensAI」や、組み込みビジョンシステムに向けた「mVision」、FAに向けた「Automate」など、5種類のソリューションスタックを用意している。
「当社FPGAユーザーの50%以上がソフトウェアソリューションを活用している。これにより、製品開発の期間を3〜6カ月も短縮することに成功している」(ラティス)と話す。
今回発表したLattice Driveは、車載システムをターゲットにしたソリューションスタックで、その第1弾が「インフォテインメントディスプレイのブリッジングと処理」である。今後、バージョンアップ版で「機能安全認証取得の設計ソフトウェア」や「低消費電力ドライバー/乗客スペース/自動車モニタリング」「ADASセンサーのブリッジングと処理」も提供していく予定である。
Lattice Driveの機能として注目されるのが、画質の改善と消費電力の低減を可能にする「スケーラブルなローカルディミングソリューション」。例えば、液晶パネルのLEDバックライトの明るさを、数万ゾーンに分割して制御することができる。複数の解像度にも対応でき、最大4Kディスプレイまでサポートする。
DisplayPortの転送レートはレーン当たり8.1Gビット/秒で、HBR3まで対応可能である。さらに、効率的なデータ処理によって、消費電力を最大75%も削減することができる。この他、フェイルセーフモードでは、ビデオ信号がない場合でも、走行速度や警告を表示できるという。
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