一方、前四半期と比較すると、コンデンサーはスマホ、PC向けを中心に幅広い用途で増加し6.2%増となった。このほか、インダクター・EMIフィルターや高周波・通信も、スマホ向けで増加しそれぞれ5.7%増、5.6%増と増加。エナジー・パワーもパワーツール向けでリチウムイオン二次電池が増加し8.2%増のプラス成長となっている。一方で、機能デバイスはウェアラブル機器やスマホ向けで増加したもののコンピュータ向けで減少し、同0.1%減で着地している。
用途別でみると、「モビリティ分野」が前年同期比8.4%増の996億円となったものの、その他用途はいずれも前年同期からマイナスとなった。ただ、前四半期と比較すると、産業機器向けでコンデンサーが減少した「産業・その他分野」が2.4%減となったほかは、各分野で売上高が増加している。
2023年度通期の業績については、売上高が2022年度比2.8%減の1兆6400億円、営業利益は同26.1%減の2200億円とした2023年4月時点の予想から変更しなかった。同社は、「2023年4月時点から市場環境に変化は見られるが、同年7月末時点の為替レートの状況も踏まえて再度シミュレーションした結果、決算発表時点では業績見通しに大きな変動はなかった」と説明している。
なお、事業環境としては、「景況感の悪化に伴い各アプリケーションにおける下期の部品需要回復ペースは想定よりも緩やか」と2023年4月時点から認識を改めたものの、「スマホ市場の在庫調整は解消」「モビリティ向け顧客で大幅な部品在庫調整は生じない」「為替レートは円安に進行」との見方を示している。
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