村田製作所、巻線コモンモードチョークコイル開発:小型で大電流、広帯域に対応
村田製作所は、定格電流が最大1.2Aと大きい電源ライン対応の巻線コモンモードチョークコイル「DLW32PH122XK2」を開発した。3225サイズと小さいが、数十MHz帯から数GHz帯まで広帯域のノイズ対策が可能となる。
村田製作所は2023年3月、定格電流が最大1.2Aと大きい電源ライン対応の巻線コモンモードチョークコイル「DLW32PH122XK2」を開発し、2023年4月より量産を始めると発表した。外形寸法は3.2×2.5mm(3225サイズ)と小さいが、数十MHz帯から数GHz帯まで広帯域のノイズ対策が可能となる。
DLW32PH122XK2の外観 出所:村田製作所
自動運転への対応など技術革新が著しい自動車では、ミリ波レーダーやLiDARなど、さまざまな高速センシング機器が搭載されるようになった。このため、広帯域でのノイズ対策などが、これまで以上に重要となってきた。
こうした中で、電源ラインのノイズ対策に用いられている巻線コモンモードチョークコイルはこれまで、高いインピーダンスで広帯域をカバーできる製品がなく、複数個を組み合わせて利用するなどしていたという。
DLW32PH122XK2は、独自の巻線・接合技術と構造設計の最適化、材料技術を組み合わせることで、3225サイズと小型でありながら、広帯域で高いコモンモードインピーダンスを実現した。これにより、最小限の部品点数で、電源ラインにおける誤動作を防ぐことが可能となった。定格電流も大きく、幅広い機器に用いることができるという。直流抵抗は0.05Ω(代表値)で、電力損失や発熱も抑えることができる。
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