フランスの市場調査会社Yole Groupによると、SiCパワーデバイス市場は2028年に約90億米ドル規模にまで成長するという。xEVが市場をけん引し、2022年から2028年まで年平均成長率(CAGR)31%で成長を続ける見通しだ。
フランスの市場調査会社Yole Groupは2023年8月、SiC(炭化ケイ素)パワーデバイス市場が2028年に約90億米ドル規模にまで成長するという市場予測を発表した。
Yoleは、SiCパワーデバイス市場は2022年の17億9400万米ドルから2028年まで年平均成長率(CAGR)31%で成長を続け、89億600万米ドルにまで拡大すると予測している。成長のけん引役はxEV(電動車)で、SiCパワーデバイス市場全体におけるオートモーティブ分野のシェアは、2022年の70%から2028年には74%とさらに拡大する見通しだ。
同社は、「SiCパワーデバイス市場の成長を支える最大の市場はBEV(二次電池式電気自動車)だ。電池電圧800VのEVはSiCにとって、成長の勢いを後押しするスイートスポットだ」と説明。このほか、EV用DCチャージャーも、急成長するxEVの出荷台数と同レベルで普及する見通しといい、「特にSiCは高出力のモジュール式チャージャーに最適で、SiCパワーデバイスの次の10億米ドル市場になるだろう」としている。
YoleはSiCパワーデバイスのサプライチェーン再構築に関する業界動向もまとめている。同社は、「2023年現在の主なトレンドは、収益拡大に向けてパワーモジュールのパッケージングビジネスを統合する動きだ」と述べている。また、2023年時点でIDM(垂直統合型)がSiCパワーデバイスにおける主流のビジネスモデルだが、一部の大手IDMがプロセスフロー全体をより確実にコントロールするため、ウエハー製造を垂直統合する一方、デバイスレベルに焦点を絞り、ウエハー製造を内部統合しない方針をとる企業もいるなど、2つの異なるウエハー調達戦略がとられていると説明している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.