図2はiPhone 15 Pro Maxの主要ユニットを取り外した様子である。
右上はトリプルカメラのユニットだ。カメラはワイド(標準)、ウルトラワイド(広角)、テレフォト(望遠光学5倍ズーム)から構成されていて、それぞれのカメラの配線は、別経路でプロセッサ基板に送られている。トリプルカメラの下部には3D LiDARが設置されている。トリプルカメラの上部にはFaceカメラと顔認証ToF(Time of Flight)カメラが設置されている。こちらは2系統の配線でプロセッサに接続されている。トータルで6系統のカメラ入力配線がプロセッサ基板に接続されていることになる。
iPhone内部では、カメラやスピーカーやセンサー(マイクロフォン含む)と基板を接続するための配線がさまざまな経路を通ってつながれている。内部は、コンポーネントと配線でほぼ隙間なく埋め尽くされているわけだ!
図2右下は、メインのプロセッサ基板の様子である。基板は2層重ね合わせ構造で、上が、通信チップがメインで配置される通信基板、下が、「A17 Pro」などのプロセッサ関連チップが配置されるプロセッサ基板となっている。AppleのハイエンドiPhoneでは「iPhone X」から2層基板構造を用いていて、iPhone15 Pro Maxでも従来とほぼ変わらない構造となっている。プロセッサ基板のほぼ中央がA17 Proである。A17 Proの左側に電源ICが、A17 Proの基板裏面にはストレージメモリ(最大1TB)が配置されている。A17 Proは高度なプロセッシングを行うため発熱も大きいので、放熱ジェル(写真の黒いもの)がべったりと塗布されている。
図3はiPhone15 Pro Maxのテレフォトカメラ、ワイドカメラ分解の様子である。それぞれのカメラは、センサーを取り出し、拡大写真やSEM画像でピッチサイズを測っているが、本稿では省略する。
右上は光学5倍のテレフォトの内部である。CMOSイメージセンサーを取り囲むように3個のマグネットが設置されていて、マグネットに対になるようにコイルが取り囲んでいる。マグネットとコイルでセンサーを動かすわけだ。テレフォトの内部にはセンサー部が動くことができる空間がある。空間内をセンサーが動くことで望遠処理を行っている。詳細は有償のテカナリエレポートで確認いただきたい。
図3右下はワイドカメラの分解の様子である。ワイドカメラもテレフォトと同じくOIS(光学手ブレ補正)構造となっていて、4個のマグネット、4個のコイルでセンサーとレンズが接続されている。レンズ側ではなくセンサー側が上下に動く構造になっている。ウルトラワイドも掲載はしていないがOIS構造だ。
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