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それでもスマホの技術進化は続いている、「iPhone 15 Pro Max」「Mate 60 Pro」を分解この10年で起こったこと、次の10年で起こること(77)(4/4 ページ)

» 2023年10月23日 11時30分 公開
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Huaweiの最新スマホ「Mate 60 Pro」を分解

 図6は、2023年夏に中国で発売されたHauweiの最新フラグシップスマートフォン「Mate 60 Pro」の様子である。

図6:Huaweiの「Mate 60 Pro」[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 図7は、Mate 60 Proの3眼カメラ、基板を取り外した様子である。分解の難易度は、Apple製品に比べると低かった。多くの中国製スマートフォンと同じ区画構造(上から基板、電池、サブ基板)だったからだ。

図7:Mate 60 Proの基板とカメラ[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 図8は、Mate 60 Proの基板の詳細である。3つの機能が2層基板構造で実現されている。層を分けることで特性を分離しているのだ。内部には、多くの中国製チップが搭載されている。Huawei傘下の半導体メーカーHiSiliconのチップが多数採用されている。メインプロセッサは、米中問題で2019年以降は先端プロセッサを発表していなかったHuaweiの新プロセッサ「Kirin 9000S」が採用されている。一部報道では中国製7nmプロセスとの情報もあるが、弊社では現在、開封して解析を行っており、近いうちにその結果を報告する予定だ。他社の7nmプロセッサのデータは多数あるので、それらとの比較や、過去のHuaweiプロセッサ(「Kirin 990」や「Kirin 9000」)との比較など、あらゆる観点で比較している。

図8:Mate 60 Proの基板の詳細[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 スマートフォンの進化、変化は、今後も間違いなく続いていくだろう。テカナリエも、あらゆる半導体を今後も観察し、報告していきます!

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執筆:株式会社テカナリエ

 “Technology” “analyze” “everything“を組み合わせた造語を会社名とする。あらゆるものを分解してシステム構造やトレンドなどを解説するテカナリエレポートを毎週2レポート発行する。会社メンバーは長年にわたる半導体の開発・設計を経験に持ち、マーケット活動なども豊富。チップの解説から設計コンサルタントまでを行う。

 百聞は一見にしかずをモットーに年間300製品を分解、データに基づいた市場理解を推し進めている。


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