中国は2022年10月の措置を受け、米国のメモリ最大手Micron Technology(以下、Micron)に対してサイバーセキュリティ審査を行うという対応に出た。その結果、中国内でMicron製品の調達が一部禁止されることになった。また、中国政府は数カ月前に、米国が発表しようとしている輸出規制に対する警告として、半導体製造に不可欠とされる重要な鉱物であるガリウム(Ga)とゲルマニウム(Ge)の輸出規制を実施した。Triolo氏は、「中国は、さらなる制裁措置を講じるとみられる」と付け加えた。
「中国政府は今後、重要鉱物に関する規制強化や、米国企業に対する新たなサイバーセキュリティ審査の実施など、さまざまな手段で対応するだろう」(Triolo氏)
さらにTriolo氏は、「一方で中国政府は、国内産業の米国技術への依存度を低減するための方法を模索していくとみられる。新たな規制措置は、中国企業がさまざまな回避策を見つけ出し、代替となるサプライチェーンの開発や、米国技術の排除に一層拍車を掛けていくことになるだけだ。例えば、GPUに関しては既に、性能の劣るが代替製品が中国国内に存在している。規制の強化は、Huaweiのスマートフォン『Mate 60』などのように、高性能半導体チップの製造能力を開発する取り組みを加速させることになるだろう。また中国の報復措置の形態やレベルによっては、米中関係がさらに下方スパイラルに陥る可能性がある」と述べている。
CNBCの報道によると、HuaweiはAppleに取って代わり、中国最大のスマートフォンブランドとして再浮上したという。
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