車載分野が好調で過去最高益を更新、ニデックの23年度中間決算 : 中国一辺倒から脱却し (2/2 ページ)
ニデックは、トラクションモーターシステム「E-Axle」の第3世代品「E-Axle Gen3」の提供を2024年6月に開始する。E-Axle Gen3は、従来の「3-in-1」にIPS(Indoor Positioning System)ユニットとPTCヒーターを組み込んだ「7-in-1」になる。まずは、中国自動車メーカーの広州汽車集団やその関連企業への提供を予定している。中国国内企業向けに提供するE-Axleは、中国半導体を使ったインバーターを開発/使用するなど、“オール中国製”になるという。
「E-Axle Gen3」の概要[クリックで拡大] 出所:ニデック
家電/商業/産業向けでは、誘導モーター「SynRA」の販売に注力する。SynRAは、一般的な従来の誘導モーターに比べて、総損失が39%減、サイズは40%減になっている。永守氏は「ニデックは現在、誘導モーターの世界市場でシェア約10%を占め、4位につけている。SynRAの提供により、2024〜2025年にはトップに立ち、2030年には55%のシェアを獲得できると考えている」と語った。
「SynRA」の概要[クリックで拡大] 出所:ニデック
永守氏は、今後のニデックの戦略について「当社のモーターの性能は、非常に優れていると考えている。中国市場では価格重視の販売競争を行っているが、利益率を大きく落としてまで価格競争に付き合う必要はないと考えている。今後は、『利益率15%』を目安に、いいものをいいものとして判断し、購入してもらえる顧客と取引する」と語った。
ルネサスとニデックが次世代E-Axleで協業へ
ルネサス エレクトロニクスとニデックは、EV(電気自動車)向けのE-Axleの半導体ソリューションでの協業に合意した。ニデックのモーター技術とルネサスの半導体技術を掛け合わせ、業界最高水準となる次世代E-Axleの実現に向け、PoC(概念実証:Proof of Concept)の共同開発を目指す。
ニデック米子会社、「空飛ぶクルマ」に向け合弁設立へ
ニデックは、同社米国子会社「ニデックモータ(NMC)」が、ブラジル航空機メーカーのEmbraer(エンブラエル)と、合弁会社を設立することで合意したと発表した。合弁会社は、空飛ぶクルマ「電動垂直離着陸航空機(eVTOL)」に向けた「電機駆動システム」の開発や供給を行う。
パワー半導体向け堅調で高水準の出荷維持、ディスコ
ディスコの2023年度第2四半期(7〜9月期)売上高は前四半期比34.0%増の722億円、営業利益は同65.2%増の280億円、純利益は同57.9%増の200億円だった。世界的なEVシフトや脱炭素化の進展を背景としたパワー半導体向けで強い需要が継続、市場動向と連動性が高い出荷額は794億円と高水準を維持している。
本当は半導体売上高で第1位? AIチップ急成長で快進撃が止まらないNVIDIA
NVIDIAの快進撃が止まらない。背景にあるのは、AI(人工知能)半導体のニーズの高まりだ。本稿では、半導体売上高ランキングにおけるNVIDIAの“本当の順位”を探る。
史上最悪レベルの半導体不況に回復の兆し、生成AIという新たな“けん引役”も
“コロナ特需”から一転、かつてないレベルの不況に突入した半導体業界だが、どうやら回復の兆しが見えてきたようだ。本稿では、半導体市場の統計や、大手メーカーの決算報告を基に、半導体市場の回復時期を探る。さらに、業界の新たなけん引役となりそうな生成AIについても言及する。
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