ニデックは、トラクションモーターシステム「E-Axle」の第3世代品「E-Axle Gen3」の提供を2024年6月に開始する。E-Axle Gen3は、従来の「3-in-1」にIPS(Indoor Positioning System)ユニットとPTCヒーターを組み込んだ「7-in-1」になる。まずは、中国自動車メーカーの広州汽車集団やその関連企業への提供を予定している。中国国内企業向けに提供するE-Axleは、中国半導体を使ったインバーターを開発/使用するなど、“オール中国製”になるという。
家電/商業/産業向けでは、誘導モーター「SynRA」の販売に注力する。SynRAは、一般的な従来の誘導モーターに比べて、総損失が39%減、サイズは40%減になっている。永守氏は「ニデックは現在、誘導モーターの世界市場でシェア約10%を占め、4位につけている。SynRAの提供により、2024〜2025年にはトップに立ち、2030年には55%のシェアを獲得できると考えている」と語った。
永守氏は、今後のニデックの戦略について「当社のモーターの性能は、非常に優れていると考えている。中国市場では価格重視の販売競争を行っているが、利益率を大きく落としてまで価格競争に付き合う必要はないと考えている。今後は、『利益率15%』を目安に、いいものをいいものとして判断し、購入してもらえる顧客と取引する」と語った。
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