ニデックの2024年3月期(2023年度)第2四半期連結決算は、売上高が1兆1606億円、営業利益は1157億8200万円と、前年同期比で増収増益だった。車載分野における日米欧からの引き合い増や、精密小型モーター分野の回復傾向によるものだ。
ニデック(旧日本電産)は2023年10月23日、2024年3月期(2023年度)第2四半期(2023年7〜9月)連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.6%増の1兆1606億円。営業利益は同20.1%増の1157億8200万円と、過去最高益を更新した。
ニデックの代表取締役会長である永守重信氏は、増収増益の理由について「精密小型モーターが、2022年度第4四半期(2023年1〜3月)を底に回復傾向にある。2023年9月末には値上げ交渉が完了し、四半期ベースの売上高は300億円増加する見込みだ。車載分野では、日米欧の引き合いが増えている。一方、主要地域である中国では価格競争が激化していて、十分な利益率が見込めない。今後は、利益率や採算性を重視し、製品の性能や価値を認めてくれる顧客や市場に注力する」とコメントした。
なお、2024年3月期通期の予想は、2023年度第1四半期の発表から変更せず、売上高が前年比1.9%減の2兆2000億円、営業利益が同119.8%増の2200億円になる見込みだ。
用途別で見ると、車載向けの売上高は、中国市場でのEV(電気自動車)市場の成長率低下や、価格競争の激化に伴う利益率の減少の影響を受けつつも、日米欧からの引き合いが増加したことで、前年同期比11.0%増の2821億7600万円と増収。営業利益は、同199.5%増の163億6300万円と増益だった。
精密小型モーター向けの売上高は、HDD用モーターの販売数量が減少したことなどを受け、前年同期比8.5%減の2070億7800万円。営業利益は、固定費の大幅削減を行うも、減収による影響と製品構成の変動により、同29.2%減の170億2500万円と減収減益だった。
家電/商業/産業向けの売上高は、発電機やクリーンエネルギーなどのインフラ向けモーターが好調で、前年同期比5.8%増の4796億6300万円。営業利益は、前期に実施した構造改革に伴う固定費の低減や原価改善により、同53.1%増の586億2400万円だった。
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