電極材料の改良で長寿命化、小型高容量密度の全固体電池 : 伝統工芸とコラボした太陽電池も展示 (2/2 ページ)
同社は、金属支持型の固体酸化物燃料電池「MS-SOFC(Metal Supported-Solid Oxide Fuel Cell)」を展示した。
MS-SOFCは、同社の積層セラミックコンデンサーの薄層化技術を応用することで、電解質の厚みが4μmと半分以下(従来は約10μm)になった。「薄型になったことで、電気抵抗値が低下し、実質的な性能向上につながった。また、柔軟性が高く割れにくいため、スタック設計の自由度が高い」(担当者)という。発電特性は、600〜700℃の動作温度の時に0.7W/cm2だ。サイズは、最大100×100mmでカスタマイズ可能。アプリケーションは、家庭/業務用燃料電池や小型移動体用電源、水素製造(SOEC)などを想定している。
金属支持型 固体酸化物燃料電池「MS-SOFC」。左が100×100mmの角型、右が直径30mmおよび20mmの円型[クリックで拡大]
担当者は、「現在は、リサーチサンプルを提供している段階だ。顧客や来場者の反応を見て、量産や本格提供について検討する。また、今回の展示を通じて、電池のスタック(パッケージ)化に向けて共同研究できるパートナー企業を探している」とコメントした。
電池技術を組み合わせた「温湿度BLEモジュール」の展示。BLEモジュール(手前左の銀色部分)、積層チップ型全固体電池(手前右の赤色部分)、色素増感太陽電池(奥の黒色部分)[クリックで拡大]
窓ガラスと一体化したペロブスカイト太陽電池、CEATEC 2023で表彰
パナソニック ホールディングスは「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日)に出展し、ガラス建材一体型 ペロブスカイト太陽電池を展示した。発電効率は最大17.9%で「従来の結晶シリコン系の太陽電池と同等の発電効率だ」(同社)という。「CEATEC AWARD 2023」のデバイス部門で準グランプリを受賞した技術だ。
微細な“穴”で二酸化炭素を吸着/回収、再利用する技術
日本ガイシは「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日/幕張メッセ)に出展し、大気中の二酸化炭素を吸着/回収するセラミック基材や、二酸化炭素の再利用を可能にするサブナノセラミック膜を展示した。
実在企業の社長に!? 進化した半導体産業人生ゲームを体験
「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日/幕張メッセ)のJEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)ブースでは、「CEATEC 2022」に引き続き「半導体産業人生ゲーム」の体験会が行われた。筆者も体験してきたので、そのレポートをお届けする。
熱の動きを0.01秒で検知、低コストで量産可能な熱流センサー
TopoLogicは「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日、幕張メッセ)で熱流センサー「TL-SENSING」を展示した。TL-SENSINGは従来の熱流センサーと比較して応答速度は約100倍、製造コストは数百分の1以下だ。TL-SENSINGは、「CEATEC AWARD 2023」のスタートアップ部門で準グランプリを受賞している。
25.3型のカラー版も、エコな電子ペーパーポスター
シャープは「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日/幕張メッセ)に出展し、消費電力“ゼロ”で表示維持が可能な電子ペーパーディスプレイを展示した。電源に接続することで表示の変更が可能で、一度表示した画像は電源を切っても維持される。
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