マクタアメニティは「CEATEC 2023」にて、スマートフォンなどで撮影した画像から野菜などの「おいしさ」を解析する技術を展示した。同技術は「CEATEC AWARD 2023」のアドバンストテクノロジー部門で準グランプリを受賞している。
マクタアメニティは「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日、幕張メッセ)にて、スマートフォンなどで撮影した画像から野菜などの「おいしさ」を解析する技術を展示した。同技術は「CEATEC AWARD 2023」のアドバンストテクノロジー部門で準グランプリを受賞している。
今回展示された技術ではまず、野菜や果物を撮影した画像をRGB(赤、緑、青)の3色に分けてデジタル化する。そして各色の波長と味覚情報のデータベースをAI(人工知能)が照合すると、おいしさの解析結果が甘味/塩味/酸味/苦み/うま味という5つの指標でレーダーチャート化される。レーダーチャートでは、解析結果を同品目の平均的なデータと比較できる。味覚情報のデータベースは、あらかじめ味覚センサーで測定した数値をもとに作成したという。2022年9月現在、トマトやきゅうり、さくらんぼなど17種類の野菜と果物のおいしさを指標化できるほか、ラフランスとアールスメロンの食べごろの判定も行える。
青果の生産/流通の規格は現在、形や色つや、大きさや重さから決定されている。流通の段階で袋詰めのしやすさなどが重視されるためだ。おいしさは消費者にとって重要であるにもかかわらず、こうした客観的な指標がないため、判断がつきにくい。味覚センサーを用いれば食味を数値化できるが、食品をフードプロセッサで粉砕してから測定/解析を行うためサンプル検査しか行えず、費用も高額なため手軽には利用できなかった。
マクタアメニティの技術は、野菜などの味を客観的な情報として広く提供し、好みや用途に合わせた選択ができるようにするものだ。画像1枚で計測できるため、食品を傷つけることもなく、結果もすぐに得られる。
測定結果の活用方法として、例えば食品加工業や飲食店で野菜類を仕入れる際に「加熱用には酸味が強いもの、生食用には甘味が強いもの」などと、食味を基準にした判断ができる。また、食料品店の野菜売り場においしさのレーダーチャートを掲示すれば販売促進にも利用できる。
マクタアメニティは現在、解析可能な野菜などの品目数を増やすなど、技術開発を進めている。
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