シャープは、新構造の化合物・シリコン積層型太陽電池モジュールを開発し、33.66%という世界最高の変換効率を達成した。化合物2接合型セルの厚みは、従来の化合物3接合型セルに比べ3分の1以下に薄くできるという。
シャープは2023年10月、新構造の化合物・シリコン積層型太陽電池モジュールを開発し、33.66%という世界最高の変換効率を達成したと発表した。化合物2接合型セルの厚みは、従来の化合物3接合型セルに比べ3分の1以下に薄くできるという。
同社は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が進める「移動体用太陽電池の研究開発プロジェクト」において、化合物2接合型太陽電池モジュールとシリコン太陽電池モジュールを組み合わせた積層型太陽電池モジュールの開発に取り組んできた。
これまでは、インジウム・ガリウム・ヒ素をボトム層とする3つの光吸収層を積み上げる化合物3接合型太陽電池セルを用いて太陽電池モジュールを開発しており、2022年に32.65%の変換効率を達成していた。
今回は、トップ層にインジウム・ガリウム・リンおよび、ガリウム・ヒ素の化合物2接合型セル、ボトム層にシリコンセルをそれぞれ配置する新構造とした。しかも、化合物2接合型セルは、ボトム層への光透過率を高める工夫を行った。
これにより、さまざまな波長の光を効率的にエネルギー変換することが可能となった。この結果、試作した積層型太陽電池モジュールは、面積が775cm2という実用サイズで、変換効率を33.66%まで高めることに成功した。また、従来の化合物3接合型セルと比べ、化合物2接合型セルの厚みは3分の1以下に薄層化できるため、材料コストを節減できるという。
シャープは、電気自動車や宇宙・航空分野といった移動体に実装するため、今後も太陽電池モジュールの高効率化および、低コスト化について研究開発を継続していく計画である。
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