Beyond 5G向けデバイスの研究開発を本格開始:産官学が協力、国際競争力を強化
シャープ、シャープセミコンダクターイノベーション(SSIC)、東京大学大学院工学系研究科、東京工業大学、日本無線の5者は、Beyond 5G(B5G)向けIoT(モノのインターネット)ソリューション構築プラットフォームの研究開発を本格的に始める。産官学が協力し、B5Gの用途拡大と国際競争力の強化を図る。
シャープ、シャープセミコンダクターイノベーション(SSIC)、東京大学大学院工学系研究科、東京工業大学、日本無線の5者は2022年2月、Beyond 5G(B5G)向けIoT(モノのインターネット)ソリューション構築プラットフォームの研究開発を本格的に始めると発表した。産官学が協力し、B5Gの用途拡大と国際競争力の強化を図る。
B5Gは、5G(第5世代移動通信)の特長をさらに高度化し、自律性など新たな機能を備えた次世代の移動通信システム。2030年の商用化を目指している。拡張性に優れ極めて低い電力消費や高い安全性など、新たな価値が付加されることから、ヘルスケアやスマートシティー向けの端末機器など、幅広い用途での採用が期待されている。
これを受けて、情報通信研究機構(NICT)は、2021年10月に委託研究を公募した。ここで5者が提案する「継続的進化を可能とするBeyond 5G(B5G)IoT SoCおよびIoTソリューション構築プラットフォームの研究開発」が採択され、開発環境の整備や基礎検討を行ってきた。
上図はB5G向けIoTソリューション構築プラットフォームの概略図、下図は5者の開発担当分野 出所:シャープ他
具体的に5者は、シャープが代表研究者になり、IoTソリューション構築プラットフォームを実現するためのソフトウェア無線ベースバンドSoCや、ミリ波対応RF CMOSトランシーバーICなど、それぞれが得意とする分野を担当し、研究開発に取り組む予定である。
- タッチレス操作の静電ホバータッチディスプレイ
シャープは、画面に直接触れなくても操作できる「静電ホバータッチディスプレイ」を開発した。飲食店での注文用端末、商業施設などにおける案内表示板など、非接触での操作が求められる用途に向ける。
- 米粒より小さい、ウェアラブル機器用近接センサー
シャープ福山セミコンダクターは、ワイヤレスイヤフォンなどウェアラブル機器に向けて、本体サイズが米粒よりはるかに小さい近接センサー「GP2AP130S00F」を開発、量産を始めた。
- MEMS技術を用い電子部品の薄型・小型化を実現
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とアルファー精工、旭電化研究所および、シナプスは、MEMS技術を用い、薄型かつ小型で優れた伝送特性を備えた電子部品の開発に成功した。素材として金属と樹脂を用いるため、第6世代移動通信(6G)システム向けのコネクターやソケットなどに適用することができる。
- 6Gは2030年をメドに実用化、コロナで仕様策定に遅れも
世界トップレベルの無線通信研究者が集まる「Brooklyn 6G Summit」が、2021年10月18〜19日に開催された。これにより6G(第6世代移動通信)市場は、大きな後押しを受けることになるだろう。この大規模サミットの開催によって、基本的な6Gインフラの準備がまだ整っていない状態でありながらも、新技術のハイプサイクルがかつてない早い段階で始動することになる。【修正あり】
- 産総研ら、140GHz帯メタサーフェス反射板を開発
産業技術総合研究所(産総研)は、大阪大学と共同で、「140GHz帯メタサーフェス反射板」を開発した。ポスト5G/6Gと呼ばれる次世代の移動通信において、電力消費を抑えつつ通信エリアの拡大が可能となる。
- テラヘルツ帯で動作する周波数カウンターを開発
情報通信研究機構(NICT)は、半導体超格子ハーモニックミキサーを用いたテラヘルツ周波数カウンターを開発し、0.1T〜2.8THzという4オクターブを超える帯域で精度16桁の計測を実現した。テラヘルツ帯の周波数領域は、「Beyond 5G/6G」での利活用が期待されている。
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