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HDD大手Seagateの四半期業績、7期連続で前期比の売上高が減少福田昭のストレージ通信(256)(2/2 ページ)

» 2023年11月01日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]
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ディスク1枚当たり2.4TBの大容量品を2024年前半に量産出荷へ

 Seagateは製品別の収支を、「HDD製品」と「その他(SSDやシステム・ソリューションなど)製品」に大別している。売り上げのほとんどを占めるのは「HDD製品」である。「HDD製品」は「大容量品(マスキャパシティ品)」と「既存品(レガシー品)」の2つに分けて説明している。

 「大容量品(マスキャパシティ品)」には、ニアラインHDD、画像データ(VIA:video and image applications)用HDD、NAS(Network Attached Storage)などが含まれる。「既存品(レガシー品)」には、ミッションクリチカルHDD、デスクトップPC用HDD、ノートPC用HDD、デジタルビデオ録画用HDD、ゲームコンソール用HDDなどの製品がある。

 これらの製品分類別市況で比較的好調だったのは 「大容量品(マスキャパシティ品)」のVIA用HDDだとする。ニアラインHDDは在庫調整が続く。既存品(レガシー品)はミッションクリチカル、クライアント、コンシューマの全てで需要が弱い。

市況(左)と開発(右)の状況 市況(左)と開発(右)の状況[クリックで拡大] 出所:Seagate Technology

 HDD製品の開発状況では、記憶容量がディスク1枚当たり2.4TBの次世代垂直磁気記録(PMR)方式HDDを2024年(暦年)の前半に量産出荷する。ディスク1枚当たり3TBを超える熱エネルギーアシスト磁気記録(HAMR)方式HDDは、2024年(暦年)の始めに量産を始める。いずれもディスク10枚のドライブなので、ドライブ当たりの記憶容量はそれぞれ24TB、30超TBとなる。

HDDの前期比売上高は大容量品が微増、既存品が大幅減

 製品分類別の売上高では、「HDD製品」が前期比6%減、前年同期比27%減の12億9500万米ドルとなった。その中で「大容量品(マスキャパシティ品)」の売上高は前期比3%増、前年同期比26%減の10億1700万米ドルである。HDD製品の売上高に占める大容量品の割合は79%で、前期の71%から8ポイント上昇した。「既存品(レガシー品)」の売上高は前期比31%減、前年同期比29%減の2億7800万米ドルで大幅減となった。

 「その他(SSDやシステム・ソリューションなど)製品」の売上高は前期比27%減、前年同期比40%減の1億5900万米ドルとふるわなかった。

製品別の売上高と総出荷記憶容量、平均記憶容量(ドライブ1台当たりの記憶容量)の推移(2023会計年度第1四半期(Q1FY23)〜2024会計年度第1四半期(Q1FY24))[クリックで拡大] 出所:Seagate Technology

 総出荷記憶容量では、大容量品(マスキャパシティ品)が前期比5%増、前年同期比24%減の79.2EB(エクサバイト:1018バイト)となった。マスキャパシティ品の大半を占めるニアラインHDDは前期比2%増、前年同期比34%減の56.0EBである。既存品(レガシー品)は前期比35%減、前年同期比27%減の10.4EBと大きく低下した。

 大容量品の平均記憶容量(1台当たりの記憶容量)は前の四半期から7%増加して10.3TB(テラバイト)となった。既存品の平均記憶容量は前期比3%減の2.4TBである。

 HDD全体の総出荷記憶容量は前期比2%減、前年同期比24%減の89.6EBとなった。HDD全体の平均記憶容量は前期比17%増、前年同期比1%減の7.5TBである。

⇒(次回に続く)

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