前回に続き、IBMが開発した世界で初めてのスマートフォン「IBM Simon Personal Communicator」の詳細をご紹介する。
(ご注意)今回の内容は前回の続きです。まず前回を読まれることを推奨します。
前回は、IBMが開発した世界で初めてのスマートフォン「IBM Simon Personal Communicator」(「Simon」(サイモン))の開発経緯をご紹介した。1992年11月にIBMが試作機を展示会に出品して大きな反響を呼んだことから、製品の開発が決まる。1994年8月に携帯電話サービス企業のBellSouth Cellular(以降はBellSouthと表記)が発売し、1995年2月に販売を休止するまでに累計で5万台を販売した。
今回は、「Simon」の概要と機能、内部構成をご報告する。今から約30年前、携帯電話システムがアナログ方式であり、インターネットがほとんど商用化されていない時代に開発されたスマートフォンとは、どのような製品だったのか。少し詳しく見ていこう。
「Simon」の外形寸法は高さ20.3cm×幅6.35cm×奥行き3.8cmである。かなり高さがあり、しかも厚い。本体の重量は510グラムもある。片手で持ったまま通話していると、腕が疲れそうだ。
当時のハンドヘルドPCおよび後世の「iPhone」(初代機、2007年)と比較すると、iPhoneが小さくて薄くて軽いのはもちろんだが、携帯電話機能を持たないハンドヘルドPC「PalmPilot」が小さくて軽いことに、いささか驚かされる。「Simon」と「Newton MessagePad110」は、外形寸法と重量ともにかなり近い。
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