Preferred Networks(PFN)は「CEATEC 2023」にて、AI(人工知能)/基盤モデル向けの省電力プロセッサ「MN-Coreシリーズ」を展示した。同シリーズは「CEATEC AWARD 2023」のアドバンストテクノロジー部門で準グランプリを受賞している。
Preferred Networks(PFN)は「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日)にて、AI(人工知能)/基盤モデル向けの省電力プロセッサ「MN-Coreシリーズ」を展示した。同シリーズは「CEATEC AWARD 2023」のアドバンストテクノロジー部門で準グランプリを受賞している。
MN-CoreシリーズはPFNが神戸大学と共同開発した、深層学習に最適化したプロセッサだ。AIや基盤モデルが必要とする計算資源が増加する昨今、低コストかつ低環境負荷な計算資源が求められている。MN-Coreシリーズは従来の汎用プロセッサに比べ高いピーク性能を有し、消費電力あたりの演算性能(電力性能)は「世界最高水準」(PFN)を実現したものだ。
一般的な汎用プロセッサでは、さまざまな命令に対処するため、ハードウェア上にネットワーク制御回路やキャッシュコントローラー、命令スケジューラーが搭載されている。MN-Coreではそれらの機能をソフトウェア側にもたせ、ハードウェアにはレジスタや演算器といった最低限の機能だけを残すことで、演算に費やせる面積を増やしたという。
「ハードウェアの機能をシンプルにする分、ソフトウェアは複雑になる。PFNにはソフトウェアに強みを持つ人材が多いことでこの仕組みが実現した」(ブース担当者)
ブースでは第1世代品である「MN-Core」と、演算性能と電力性能をさらに向上させた第2世代品「MN-Core 2」を展示した。第1世代品はサーバ上に搭載した状態で展示され、材料シミュレーションを行っていた。展示会などでMN-Coreシリーズが実際に稼働しているところを展示するのは初めてだという。
CEATEC AWARDでの受賞理由について、選評には「省エネ化や高性能化により、単純な処理速度の向上(演算処理の短縮)だけでなく、試行回数を増やすなど、より複雑な演算が現実的なコストで行えるようになると期待され評価された」とある。ブース担当者はこれに加えて「リリース時にベンチマークでの評価が高いプロセッサは多くあるが、MN-Coreシリーズは実際のワークロード上で継続的に使用し性能の改善を続けているというところが評価されたのではないか」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.