INCJ、ルネサス株の大半を売却し保有株ほぼゼロへ:2013年の出資から約10年
INCJ(旧産業革新機構)は2023年11月9日、同社が保有するルネサス エレクトロニクス株式の大部分を売却すると発表した。
INCJ(旧産業革新機構)は2023年11月9日、同社が保有するルネサス エレクトロニクス株式の大部分を売却すると発表した。2023年11月14日に証券会社に受渡し、主に海外の機関投資家に売却される。
INCJは現在、ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)の発行済み株式の6.65%に当たる1億3023万1675株を所有。このうちの1億3023万1600株を売却する。売却価格は2023年11月10日午前8時までに決定する。なお、ルネサス株式の2023年11月9日の終値は、2330円。同終値で売却した場合、3000億円超になる。
INCJは、ルネサスが経営危機にあった2013年9月30日にルネサス株式の69.16%を約1383億5000万円で取得(関連記事:ルネサスの“実質国有化”が完了)。その後、2017年から段階的に売却してきた。
今回の売却により、INCJが保有するルネサス株式は75株になる。
- ルネサスの23年度3Qは予想比上振れ、自動車向け好調
ルネサス エレクトロニクスの2023年度第3四半期業績(Non GAAPベース)は、売上高が3794億円(前年同期比2.1%減)、営業利益が1323億円(同105億円減)、営業利益率が34.9%(同2.0ポイント減)、当期純利益が1083億円(同119億円増)となった。なお、売上高は予想比で2.5%増となっている。
- デンソーがルネサス株保有比率を5%に引き上げ
デンソーは2018年3月9日、ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)の株式保有比率を引き上げると発表した。産業革新機構の保有株の一部を買い取る。これにより産業革新機構のルネサス株保有比率は50%未満になる。
- ルネサスが青森の後工程工場を売却、香川の半導体受託生産企業に
ルネサス エレクトロニクスは、半導体の後工程工場であるルネサスハイコンポーネンツ(青森県鶴田町)を、香川県高松市に拠点を置くアオイ電子に売却する。
- ルネサスの“実質国有化”が完了
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2013年9月30日、政府系ファンドである産業革新機構と顧客企業8社から第三者割当増資に伴う払い込みが完了したと発表した。これにより、政府が約9割出資する産業革新機構がルネサスの発行株式の69.16%を掌握したため、ルネサスは実質的に国有化された。
- 潰れるはずだったルネサスモバイル、ブロードコムが買収
ルネサス エレクトロニクスは、清算予定だったルネサス モバイルの海外子会社2社とLTEモデム技術資産をブロードコムに譲渡すると発表した。譲渡額は約164億円。
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