地域別の投稿論文数はアジア(ISSCCではFE[Far East]と表記される)が556件と最多で、前回の391件から大きく増加した。ISSCCは国ごとの投稿論文数の内訳を明らかにしていないが、宮地氏は「特に中国と韓国からの投稿が増加したと予想される」と述べた。なお、アジアには日本、韓国、台湾、中国、マカオ、香港、シンガポール、インドが含まれる。
採択数でもアジアは増加傾向で、全体の63%を占める148件と過去最高だった。減少傾向にある北米は57件で、例年比で大きく落ちこんだ前回と比較すると15件増加したものの、過去の水準には戻っていない。欧州は同3件増の29件だった。
国別の採択論文数をみると、中国が69件で2023年に続き最多となった。2位は米国で52件だった。3位の韓国は49件と過去最多で、米国に迫る勢いだ。宮地氏は「国の規模を考えると、韓国の採択論文数はすさまじい」と語った。
中国をけん引したのはマカオ大学と清華大学で、いずれも10件以上の論文が採択された。韓国はSamsung Electronicsと韓国科学技術院(KAIST)が件数に貢献した。韓国の採択論文数増加について、宮地氏は「KAISTには博士課程の学生なども多く参加している。兵役の免除制度が関係していると聞いている」と説明する。
日本からの採択論文数は11件で前回より1件増加したものの、20件以上が採択された2015〜2016年の水準からは大きく減少し、約半分まで落ち込んでいる。今回、日本で複数件の論文が採択されたのはルネサス エレクトロニクスと東京工業大学で、いずれも2件採択された。他に産業技術総合研究所、信州大学、TSMCデザインテクノロジージャパン、マイクロンテクノロジー、NTT、村田製作所、慶應義塾大学からは各1件が採択された。日本の採択論文11件のうち最多の4件がメモリ領域のものだった。
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