金沢大学とダイセルの共同研究グループは、特殊な結晶構造を持つダイヤモンド固体触媒を開発、これに可視光を照射すると放出される電子を活用し、二酸化炭素(CO2)を一酸化炭素(CO)へ還元させることに成功した。
金沢大学ナノマテリアル研究所の徳田規夫教授、理工研究域物質化学系の淺川雅准教授らと、ダイセルの吉川太朗研究員(金沢大学ナノマテリアル研究所の任准教授を兼務)らによる共同研究グループは2023年12月、特殊な結晶構造を持つダイヤモンド固体触媒を開発、これに可視光を照射すると放出される電子を活用し、二酸化炭素(CO2)を一酸化炭素(CO)へ還元させることに成功したと発表した。
太陽光から出る「紫外光」をダイヤモンドに当てると、周囲のCO2が還元されることは既に知られている。ただ、「可視光」を当てた時にも同じ現象が生じるかどうかは、これまで確認されていなかったという。
研究グループは今回、ダイセルが蓄積してきた爆轟(ばくごう)合成技術と、金沢大学が有する化学気相成長(CVD)技術を組み合わせた独自のダイヤモンド結晶化技術を活用し、可視光を吸収して電子を放出する、特殊な結晶構造のダイヤモンド触媒を開発した。そして、ダイヤモンド表面から放出された電子を利用し、CO2還元に成功した。
開発した太陽光超還元技術は、革新的なカーボンリサイクル技術として期待できるという。ダイセルでは、開発した技術を自社の化学プラントに導入し、実証実験を行う計画である。
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